批判的思考を身につける2つのポイント
先日、「このハゲー」事件を話題にして「批判的思考を身につけること」と、以下のことを書きました。
1.情報の出所を確認する(一次情報か、二次情報か)
2.証拠の質を問う(感情的な主張か、検証可能な事実か)
3.複数の情報源を参照する(一方的な見解に偏っていないか)
4.自分都合の良い話に警戒する(自分の既存の信念に合わせて情報を選んでいないか)
すると、私が、できもしない理想を並べ立てているような中傷がありました。
いや、政治家やマスコミや企業は、いうなれば自分の利益になる方向へ国民を誘おうとしているわけですから、そんな甘言に騙されないようにするには、国民の側にこうした態度は必要なんですけどね。
自分で何も努力せず、みすみす騙されてから不平不満ばかり言ってても、怠慢の誹りは免れません。
ほら世界の北野が大人しくしてる場合じゃないって言っているぞ
— ビートきよし (@kiyopon1231) September 21, 2025
#あいぼー
ビートたけし、日本人のおとなしさを指摘「給料安いとか文句は言うけど具体的に行動しないじゃない?」(スポーツ報知)#Yahooニュースhttps://t.co/ybBf0gvfh8
とはいえ、私も、限りなく時間とエネルギーを持ち合わせているわけではないので、トレンドな出来事は、その都度国会図書館に走って、その背景を徹底的に調べて、人に取材して……、なんてやっているわけではありません。
その場合、信頼できる知識人の言説に、理解を助けてもらうことは当然あります。
では、どういう人を選び、どう助けてもらっているのか。
自分のことを簡単にまとめてみます。
「右」の話も「左」の話も聞く
私が、これまで、このブログで、YouTubeチャンネルをご紹介したり、Xのポストを引用したりした「知識人」を挙げると、保守もいれば、リベラルもいれば、日本共産党除名者(御本人は復党希望)もいます。
有馬哲夫さん(政治史学者、早稲田大学名誉教授)
米山隆一さん(衆議院議員、弁護士、医師)
筋肉弁護士・桜井ヤスノリさん(弁護士)
松竹伸幸さん(日本共産党を除名された出版社編集長)
四方源太郎さん(自民党京都府議)
古賀茂明さん(元通産・経産官僚)
住友陽文さん(歴史学者)
適菜収さん(作家)
井川意高さん(元大王製紙会長・インフルエンサー)
要するに、「右」とか「左」とか、関係ありません。
と同時に、この方々は基本的なポジションがあっても、是々非々の言説をお持ちです。
「え、井川意高なんて、たんなるヘイトウヨじやないか」と思われますよね(笑)
しかし、彼は公人の靖国参拝に反対し、改憲論議も賛成していません。
もちろん、「クソクズ」云々という彼の放言まで含めて、まるごと支持しているわけではありません。
いずれにしろ、この方々の主張を並べれば、一致しないことも、もちろんあります。
その不一致点(矛盾)を突き合わせることで、それらを合一し、一歩進んだ新しい見解が生まれることを、哲学では「弁証法」といいます。
https://www.youtube.com/watch?v=7XBvwDMZV4Aより
特定のセクトや、知識人の話を鵜呑みにしないで、違う意見と付き合わせて、そこから見える本当のことを自分の頭で考えるしかないのです。
そうでないと、最近のSNSは、「右」と「左」で、ポジショントークばかりやってますから。
どっちも、まるごと信用してはいけないのです。
インプットは、書籍でもYouTubeでもいいのですが、幅広く見解を知ることです。
陰謀論にすぐのらない
陰謀論にすぐ引っかかる人を見てると、文学を読んでいないんですよね。文学を読んでないから脳が鍛えられていないのです。脳はとても燃費の悪い器官ですぐに省エネモードになろうとする。文学というのは不条理を咀嚼し続ける「脳の持久力」を鍛えるわけですが、その持久力がないと、目の前の現実を単純…
— 山口周 (@shu_yamaguchi) August 22, 2025
最近の調査で、日本では陰謀論を信じる人が、珍しくないことが明らかになったそうです。
(https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/dis/fac/ctj.html より)
京都府立大学の秦正樹氏が2021年に実施した調査によると、「日本人の最大19%が、排外主義や人種差別を含む陰謀論を程度の差こそあれ信じていると推定できる」としています。
たとえば、現在「外国からの移民」が問題になっていますが、感情(価値観)や、統計などに基づかないデマで、賛成か反対かを争っても意味はないと思います。
1.現在の経済力(1億2000万人を生活させる力)を維持したいなら、もはや移民は不可避。なぜなら少子化プラス高齢化プラス国民の学力低下などで、大学院の研究は留学生の力を借りねばならず、介護事業も外国人労働者抜きには成り立たない現実があるのです。寝たきりになったらどうするんですか?
2.ただし、移民をいったん受け入れたら、その人が結婚して子供を作った場合、その子は日本で生まれ育つことになりますから、希望するなら事実上永住ということになるでしょう。移民賛成派は、長期的な社会統合策(教育、言語、文化的適応)まで十分に考慮していない憾みを感じます。
3.GDPも人口も縮小して、今より不自由でもこじんまりと「日本人だけで鎖国的に」やっていく覚悟があるというなら、食料自給率(現在約38%)の低さが課題で、鎖国的な自給自足には抜本的な農業改革が必要。ただし、短期間での解決は困難でしょう。
つまり、賛成派、反対派とも課題があります。どちらも不十分ということです。
ですから、AI(Grok)でも、「賛否双方の視点から、長期的な国家ビジョンに基づく政策設計が求められる。」としています。
にもかかわらず、一方はナントカのひとつ覚えのように「排外主義ハンターイ」と叫び、もう一方では外国人が健康保険や生活保護や国費留学生の予算を使っているから日本人が困っているなど、デマでネガティブなイメージを刷り込むなど、お互いポジショントークをヤッている。
そこからは、何も有用な結論は出ないでしょう。
いずれにしても、陰謀論は、証拠もないのに特定の集団や個人を悪者として非難することが多く、社会的な信頼関係を損ない、人々を対立させることがあるので注意が必要です。
闇の出来事はないわけではないが……
では、陰謀論なんてまったくないかというと、たしかに闇の問題はあります。
国家予算の「一般会計」の4倍と言われまずが、表には絶対出てこない「特別会計」という闇です。
それを国会で追求するつもりだった、石井紘基さんという代議士は、面識も因縁もないヤクザに突然刺殺されました。
みのもんたさんが元気な頃、テレビ番組で「特別会計」に触れたら、テレビ界から消されたという話もありますが、
??300万再生【驚愕】特別会計の闇を暴露したみのもんた氏その後TVから消されてしまう https://t.co/DTqEFxsq9y @YouTubeより
— 深澤雄二 (@okiteyabure) September 13, 2025
これは2016年3月末の話で、みのもんたさんが「秘密のケンミンSHOW」を降板したのは2020年3月ですから、事実ではなく、それこそ「陰謀論」ですね。
いずれにせよ、この特別会計について踏み込んだ言説があったら、それは「陰謀論」と軽視せず、傾聴すべきことかもしれません。
ご自身のお考えの参考にされている、学者や評論家等はおられますか。

陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム (中公新書) - 秦正樹
この記事へのコメント
只、気になったらその方のXを存分に見させていただく感じです。
ネットの情報をうのみにする
その情報が違う方向へ行くと
私は知らない、皆がそう言ってたからと逃げる人間の多い事
nice!です。
なるべく鵜呑みにしないよう、遠く目線で見るように心掛けてはいます。
ボランティアでつくづくと。
頼る事も多くなりましたね。反省しています。
世の中のわからないことをあーでもないこーでもないと悩み続けるのが文学。それを「陰謀だ」で片付ければ辻褄の合わないことが解決したような気になるんですよね。根拠に乏しい噂レベルの話を何故鵜呑みにできるのか、不思議で仕方がない文学部出身です^^;
SNSで検索と続けていると自分自身と似た考えの記事がばかりが流れ来るの気を付けなければと思っています。情報収集は幅広く、おっしゃる通りだと思います。
参考にしています。
何時もお世話になっています。
そうですね。
人の話を聞く耳を持つって大事だと思います。
そうですね。
私もですが、日本人は行動しませんね。
自己判断も定かでは無いのかも知れません。
他の方は聞いたことありますが、筋肉弁護士とは^^
スポーツ専門の弁護士ですか??
化けの皮が剥がれます。
戦いに陰謀は卑怯と思うか思わないか、
思わない人が、せっせと陰謀を巡らせる
わけで、少数派と思います。
参考程度に、2.3人の言葉は見たりします。
相手を不快にさせる様な文言には気を付けていますが?