深刻化するYouTube上の実在が確認できない医師の生成AI「偽医師動画」問題
2025年9月、NHKの調査により驚愕の事実が明らかになりました。YouTube上に実在が確認できない医師を名乗るAI生成とみられる動画が100本以上投稿されており、そのうち約6割の登場人物が医師免許を持たない可能性が高いことが分かったのです。
巧妙化するAI生成動画
実在不明「AI医師」動画が横行 医師名乗り“健康”語る…一部不正確な情報も 鈴木おさむ氏「見分けるのは難しい、信じてしまう」 | めざましmedia https://t.co/SdsLOq3GA6
— 倉持 薫 (@l4ikwgs8) October 1, 2025
それらの動画は、「大学病院の元部長」や「心臓病の専門医」などを称する人物が登場し、長生きや健康の秘訣について語る内容となっています。
特に注目すべきは、90代の現役医師を名乗る人物による健康法の紹介動画です。
一見すると本物の医師による専門的な解説に見えますが、動画に出てくる医師は、90代にしては若いように思います。しかも、口の動きと音声が一致せず、表情の変化や手の動きなどは、同じパターンがループしているように見えます。
ITジャーナリストの三上洋氏の分析によると、これらの動画は生成AIによって作られた可能性が高いとのことです。(https://mezamashi.media/articles/-/200813)
調査では、再生回数が1万回以上の動画に登場する50人について、厚生労働省の医師免許検索システムで確認したところ、31人(約6割)に該当者がいませんでした。これは、実在しない架空の医師がAI技術によって作り出されている可能性を強く示唆しています。
深刻な医学的誤りと健康被害のリスク
実在確認できない医師の動画 YouTubeに多数投稿 AIで作成か(NHK ONE 東京) https://t.co/7RNX1CvAuB
— 赤べコム (@akabecom) October 1, 2025
問題はこれらの動画が単なる創作動画であることにとどまらず、医学的に危険な内容を含んでいることです。
たとえば、動画では、「朝起きたら480mLのお湯を2杯(計960mL)飲め」という指導がなされていますが、お茶の水健康長寿クリニックの白澤卓二院長によると、これは水中毒を引き起こす危険な行為だということです。「まともな医者がこれを言っていたら大変なことだ」との専門医の指摘は、この問題の深刻さを物語っています。(https://mezamashi.media/articles/-/200813)
また、「良質なタンパク質30gを摂取せよ」という表現についても、91歳の医師が一般の人に語る際の言葉ではないと批判されています。医師が患者に説明する際には、より具体的で理解しやすい表現を使うのが通常だからです。
医師法違反の可能性
また、この問題は単なる虚偽情報の拡散にとどまらず、明確な法律違反の可能性があります。
厚生労働省は、「医師免許のない人が動画を作成したとすれば、医師法違反の可能性がある」との見解を示しています。
医師法では、医師ではない者が医師を名乗ったり、医業を行ったりした場合の罰則が定められています。医師を名乗ることに対しては50万円以下の罰金、無資格での医療行為には3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
見分け方と対策
こうした健康情報動画は、とくに高齢者の関心が高く、再生数を稼げるそうです。
このような偽医師動画から身を守るためには、以下の点に注意が必要です。
まず、動画に登場する医師の実在性を確認することです。
厚生労働省の医師等資格確認検索システムを利用すれば、医師免許の有無を確認できます。また、話し方の不自然さも見分けるポイントの一つです。
さらに重要なのは、医療情報については必ず複数の信頼できる情報源で確認し、疑問がある場合は実際の医療機関で相談することです。
本当の情報も含まれるのでまるごと信じてしまうかも
私も、この動画チャンネルは存じておりましたし、見たこともあります。
ただ、やはり、前述のように「医師の実在性」が確認できないので、ブログ記事で、ひとさまにご紹介はできないなと思っていました。
私がこのブログでご紹介している健康情報は、医師・医学・保健学者、もしくは書籍を上梓したり施術所を主宰したりして実在性に問題のない施術者の方々によるものばかりです。
当該動画は、見ればすぐにAI生成であることはわかると思うのですが、既知の医学情報などが入っていると、いずれにしても内容は本物に違いない、と思ってしまうかもしれません。
AI技術の発展は多くの可能性がありますが、今回の問題は、その技術が悪用された場合の深刻な影響を示しています。
便利なものに残念な規制をもたらさないよう、情報リテラシーの向上が重要な課題になるでしょうね。
この「架空医師動画」、ご覧になったことはありますか。

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この記事へのコメント
気を付けないと・・・
疑う目を持たないと…
こんな事になってるんですね
よーつべは信じるものではなく
単なるネタとしてみてます
知名度の高い人の偽動画がたくさん作られては消されて
いますよね。NHKのニュースも偽動画があるし、
違和感を感じたら、疑うことですね。
nice!です。
このYouTubeは、まだ見たことが無いです。
しかしまあ、タレントの声でしたっけ前に騒動になったのは。みんなよく考えるよなぁ。
実戦で、即出て来るほどには、脳に焼き付か無いからです。
再生回数が収益につながる、というのがこういうのを生み出すのでしょう。
健康食品などの、CM動画の「専門家医師」も本物かどうか、最近では信じていません。
AIで作った画像や記事、うんざりします。
迷惑メールもそうですね、不自然な日本語がなくってみわけがつかなくなっています
便利で 尚且つ優秀 人間が・・支配される時代が‥怖いです
もう 詐欺の横領・・・・嫌な時代になりました
悪意のあるAI技術の取り締まりなど無いんでしょうか?。
医療関係のコマーシャルは要注意ですね。
健康志向の強い人が興味を持ってしまいそうですね。
実家の母もよく「思いっきりテレビ」「あるある大事典」の健康法を見てすぐに実践していましたから^^;
AI技術が進めば進むほど、何が本当なのか区別するのが難しくなりそうです。
マネー系の動画はょく見ます。
どちらにしても気を付けないといけない時代になったということですね
下手すると命にかかわりますものね。
基本的にユーチューブはあまり見ないけど、今後の参考にします。
凄いところがあるとは思いますが、凄い怖さがありますね。
騙される方が悪いと云われたりしますが、騙す方が悪いに決まっています。
原爆や原発がそうでした。
凄いけれど被害の方が更に凄かったでしょう。
便利なモノは不自由なところに使われるものと規制が必要かと思います。
新しい技術には必ず裏の悪さが付きものですね 😂
話し半分で聞くようにと、教えられましたが
ますます、難しい時代になりましたね
はっきり分かる嘘動画、沢山見た事があります。
登録時点で、厳しくチェックしてモノですね。
医者では有りませんが自分の体の事はある程度知っておく必要が有るレベルで知識を持っています。
だいたい学会の資料なんかを良く見ます、前立腺だと日本泌尿器科学会あたりのガイドラインを読んで標準治療だとどのあたりまでするのかとか…
医者と言っても名医からやぶ医者まで居る訳でして医者だからと言ってる事全てが正しいとは思っていません、疑問に思う事が有れば質問しますので医者からすれば扱いづらい患者なのかもしれませんね。^^;