カット野菜は本当に危険?栄養と安全性の真実をお答えします
忙しい現代人にとって、カット野菜は野菜不足を解消する強い味方です。しかし、「カット野菜は栄養がない」「製造過程で使われる食品添加物が危険」といった情報を耳にして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
SNSでも、関連のポストが定期的に流れてくる「長年未解決のテーマ」らしいので、今回は、これらの疑問についてまとめてみます。
情報源はいくつもありますが、その中の一つはこれです。
調理の手間が省けて便利な反面、「栄養がない」「薬品漬け」といったウワサがありますが、本当のところどうなのでしょうか?
— 360LiFE編集部(LDK・家電批評・MONOQLO etc.) (@360LiFE_editor) March 15, 2018
【意外な事実】カット野菜は“栄養がない説”は本当か調べてみました→https://t.co/DQloxU1R5Q pic.twitter.com/j6oY2JdqbA
カット野菜。
いろいろな野菜が、カットされた状態で少しずつ入っているのは、昨今の独身もしくは核家族には、大変に有用な商品です。
その野菜群を全部揃えるのは大変ですし、使い残しも出てしまいますから。
カット野菜は以下のような工程で製造されています。
原料野菜の受入・洗浄:土砂などの汚れを除去
カット作業:製品仕様に合わせて裁断
殺菌・洗浄:次亜塩素酸ナトリウムなどで殺菌処理
すすぎ洗浄:殺菌剤を徹底的に除去
脱水・包装:水気を切って包装
検査・出荷:品質検査を経て冷蔵配送
この工程は、食品安全管理システムであるHACCP(危害分析重要管理点)に基づいて厳格に管理されています。
次亜塩素酸ナトリウムは本当に危険なのか?
否定派は、「カット野菜には次亜塩素酸ナトリウムが使われているからやめとけ」といいます。
しかし、次亜塩素酸ナトリウムは、厚生労働省が認可した食品添加物で、水道水の殺菌にも使用されています。
厚生労働省の規格基準では、「最終食品の完成前に除去しなければならない」と定められており、製品には残留しないよう厳しく管理されています。
厚労省の公式発表です。ここに詳しく書かれています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wy32-att/2r9852000002wybg.pdf
次亜塩素酸ナトリウムが原材料名に表示されないのは、製造工程で除去される「加工助剤」に分類されるためです。最終製品に残留しないため、表示義務が免除されています。隠蔽しているわけではありません。
次亜塩素酸ナトリウムと有機物が反応して、トリハロメタン(発がん性物質)が生成される可能性が指摘されています。
愛知県衛生研究所の調査では、市販カット野菜17検体中、わずか1検体でクロロホルムが検出されたのみで、その量も国の定める許容摂取量をはるかに下回る極めて微量だったとの報告があります。
まあこうした検査では、「わずか1検体」でも出ることを用心する考え方もありますが、少なくとも現在の調査では、ほぼ無問題ということです。
栄養価は本当になくなってしまうのか?
ビタミンCやビタミンB群などは水溶性ビタミンのため、洗浄工程で一部が流出します。
しかし、その減少量は約10~20%程度といわれています。
済生会五條病院の栄養科の資料によると、「カット野菜に限らず、自分で買ってきた野菜を調理する場合でも、水洗いやカットなどの段階で水溶性の栄養成分は流れ出ています。同程度の流出なので、カット野菜にもしっかり栄養は含まれています」とされています。
つまり、一部ビタミンの喪失は、カット野菜でなくてもあることなのです。
済生会五條病院栄養科の資料です。
http://www.saiseikai-gose.jp/department/images/pdf/eiyouka/vol37.pdf
常識的に見て、メリットとデメリットを比較すれば、栄養素の軽微な損失よりも、カット野菜の利便性により野菜の総摂取量が増えることの方が、健康にとってはるかに有益です。
完璧な栄養の生野菜を食べずに廃棄してしまうより、80%の栄養でも実際に摂取できるカット野菜の方が価値があります。
最も注意すべきは微生物汚染
では、カット野菜は非の打ち所のない商品かというと、リスクもあります。
カット野菜で最も重要なリスクは、実は微生物による食中毒です。過去には刻みネギによる大腸菌食中毒事件(2011年、450人以上が発症、厚労省調べ)も発生しています。
愛知県衛生研究所の調査では、カットキャベツの細菌数は比較的少ないのに対し、刻みネギは1000倍以上の細菌数が検出されています。これは、キャベツが外葉を除去するのに対し、ネギは皮を剥かずに加工されるためと考えられています。
カット野菜の賢い利用法
国産AIのFeloに、カット野菜の選び方をまとめてもらいました。
カット野菜の選び方
パッケージの確認: 購入時には消費期限や保存状態、製造者情報を確認しましょう。特に消費期限が近いものは避けるべきです。
商品の状態チェック
変色や異臭がないか、包装が破れていないかを確認します。これにより、品質の劣化を防げます。
産地表示の確認
信頼できるメーカーや産地の野菜を選ぶことが重要です。特に単一の野菜の場合は、産地を確認することで安心感が得られます。
保存方法
冷蔵保存
カット野菜は冷蔵庫で適切に保存し、開封後は早めに消費することが推奨されます。特に5℃以下での保存が理想です。
清潔な容器に移し替え
開封後は清潔な容器に移し替えることで、雑菌の混入を防ぎます。水分が多いと腐敗の原因になるため、十分に水気を切って保存しましょう。
使用時の注意点
水洗いの必要性: カット野菜は通常、工場で適切に洗浄されているため、再度洗う必要はありません。むしろ、家庭で水洗いを行うことで逆に雑菌が付着する可能性があります。
調理前の手洗い
調理を行う前には手をしっかり洗い、清潔な調理器具を使用することが大切です。
調理法の工夫
生食と加熱調理
カット野菜は生で食べることでビタミンCを効率的に摂取できます。また、油と一緒に調理することで脂溶性ビタミンの吸収を促進できます。
他の食材との組み合わせ
新鮮な野菜やたんぱく質、果物と組み合わせることで、栄養バランスを向上させることができます。
ということです。
みなさんは、カット野菜、利用されていますか。

★ベランダで野菜づくり 書籍
この記事へのコメント
気になるので加工日と消費期限、生産地は必ずチェックします。
そして、袋を開けて使いきれない時は器に移してラップをかけて冷蔵庫に保存しています。
ラーメンとかに入れると気分はヘルシー
そして当日製造のものを、食べきります。
nice!です。
ような購入者は高いと懸念してます。栄養分が分解する事を
気にせず煮て、繊維が摂取できる事だけ期待する食べ方なので。
結局は雑菌、トリハロメタンの害は、さほど無い私のケースは
使い方だと、一応信じている私的状況ですね。
息子たちが来るとお料理してくれるので
カット野菜を良く買いますね。
綺麗で楽で確かに良いと思うけど
コスト面で割高と思っていました。
余り野菜を食べない人にとってはいい商品ですよね。
新鮮一番。
買ってすぐに食べるように気を付けようと思います。
コンビニのサラダはランチによく食べます。
野菜は残ると無駄になるので、
カット野菜は重宝してます。
勿体ないので刻みます。
家庭で水洗いしない方が良いことなど知りませんでした。
参考にさせて頂きます・・(><)。
ただ水洗いしてましたので、参考になりました。
無駄にするなら カット野菜・・と
ただ 消毒が 凄いだろうとは思ってましたが・・・
日本のものは 信用するしかありません 時代に乗ってます
生で食べるキャベツの千切りを良く買い求めますが、加熱調理するキャベツのざく切りは普通に1玉キャベツを購入し自身でカットしています。
製造工程で用いられる薬品は何かと話題に上がりますね、ある程度は気にして良いかと思いますが敏感過ぎるのもどうなのかと…
ヴィーガンと同様に極端過ぎるのは「過ぎたるは及ばざるが如し」だと思います。
野菜高騰を背景に、近年伸長している商材であることに
間違いありません。
安全性においては、個人的には心配無用と思っておりましたが
正直、栄養価については、いささかの疑念を持っておりましたが
ちょっと安心しました。
ありがとうございます、