富山県の「離婚率全国最低」が映し出す、女性たちの見えない苦悩
富山県の離婚率が3年連続で全国最低を記録しました。一見すると「家族の絆が強い県」として誇らしい数字のように思えますが、「そうではない。むしろ悪いことである」という研究者の考察もあります。何が悪いのかをまとめてみました。
離婚率の低さの裏には、女性たちが抱える深刻な「生きづらさ」と「我慢」の実態が隠されているという指摘が注目を集めています。
今日の情報源です。
【動画あり】「離婚率が全国最低」の富山県、その裏に潜む女性の「生きづらさ」と「我慢」の実態 #FNNプライムオンライン #富山テレビ https://t.co/fqgwURRPxk
— 赤べコム (@akabecom) October 30, 2025
厚生労働省の統計によると、2023年の人口1000人あたりの離婚率は全国平均が1.55であったのに対し、富山県は1.13と全国で最も低い数値でした。
この数字に対して、富山大学の立瀬剛志助教は「悪いこと」だと明言しています。
低いことがなぜ悪いのか。
その理由は、「離婚しにくい社会」すなわち「自由度の低い県」を象徴しているからです。
もちろん、離婚を推奨しているわけではありません。
ただ、離婚率の低さは、必ずしも「幸せな結婚生活」を意味しているわけではなく、むしろ女性たちが抱える悩みや不満を我慢し続けている可能性を示唆しています。
放送によると、この推察を裏付けるデータとして、コロナ禍の2020年以降、富山県の女性の自殺率が増加傾向にあり、コロナ前と比較した増加率は全国で最も高くなっています。
さらに「頻繁に孤独を感じる」と回答する30代・40代の女性が全国平均の約3倍にも上っているのです。
封建的な価値観は残っているのか
報道には、「封建的」という表現こそありませんが、状況からは、富山県に伝統的な家庭観や男女観が根強く残っている可能性が読み取れます。
特に注目すべきは、若い世代の女性が親世代の姿を見て「お母さんみたいになりたくない」と感じ、県外へ流出している現象です。
立瀬助教は、「親を見て苦労しているのを見て、自分は結婚しないで自由に生きるか、東京(都市部)に逃げるしかない」と指摘しています。
これは世代を超えて受け継がれてきた問題であり、若い女性たちが母親世代の「我慢」や「生きづらさ」を目の当たりにして、富山での結婚生活に希望を見出せなくなっている状況を示しています。
離婚率が低いことで婚姻率も低下するという悪循環が生まれており、「離婚率が低い大変な県」というイメージが、逆に若い女性の結婚意欲を削いでいる可能性があります。
これは明確に家父長制や封建的価値観とは表現されていませんが、女性の自己決定権や選択の自由が制限されている環境があることを示唆しています。
封建社会はいずれ変わる
放送では、富山県が遅れている県のようにとらえられますが、私はむしろ、封建的な地域柄の問題が露呈したということは、その矛盾に甘んじたくない「健全な」女性たちの声があるからであり、長いスパンでは前向きに捉えられるのではないかと思います。
封建的というのは、たんに夫婦関係だけでなく、親子関係ももちろんそうであり、たとえば親が言ったことは絶対だとかね。
それは、ある面で、その方が楽だからなんです。
親の言うことさえ聞いてればいい、親のマネをしていればいいとかね。
でも、富山県の若い女性たちには、それに絶えられない「健全な」人が出始めているということです。
今は「我慢」という消極的な傾向があるかもしれませんが、一方で、県外に出る女性が出始めるなど、放送では、富山も早晩変わらざるを得ないことが示されているのです。
「万物は流転する」。つまり、社会は同じままではなく、少しずつ変化しているので、いつまでも古い価値観を抱え込む世代と、時代の流れに素直な世代との間に矛盾が生じ始めているのです。
余談
ただまあ、それはそれとして、離婚率が上がる事自体は、悲しいことですけどね。
人間の気持ちなんて、いかに長続きしない脆いものなのか、というあらわれでもありますからね。
仏教には、「不一不異」という言葉があります。つまり、同じ人間でも、生涯通して、心身ともに新陳代謝があるということです。
体はもちろん、心だって同じままではいないということです。
「人の気持ちなんて1日ごとに変わるみたい。永遠の愛なんてあるのかしら。あったら見てみたいわ。何千万円払ってでも」
昔、ドラマで酒井和歌子さんが言っていたこのセリフ、半世紀経っても私は印象に残っています。
(『気まぐれ天使』1977年5月25日放送分より)
何千万円は持ってないけど、私も見てみたいです。
みなさんは、「我慢」していることはありますか。

熟年離婚を考えたら読む本 離婚をしたら私は幸せになれますか? - monika
この記事へのコメント
その中で、「離婚率全国最低」とは…
喜ばしいことではないんですね^^;
それどころか、富山県の女性の自殺率が増加傾向にあるなんて…
我慢にも限度がありますもんね。
幸い、私は我慢すると言うより文句とかをポンポン言ってしまう方なので、おじちゃんの方が我慢してるんじゃないかな~^^;
名乗っていた、某電気工事産業製の、音のうるさい、全棟
空調の、ロスなんとか950の、フィルター取り換えないと
掃除機のような24時間続く音とかねえ。ちなみにタイマー
だけはいっちょまいみたいで「10月31日24時00分に、
停止する」とか。何か月前でも、予約設定できるらしい。
最近の機器は、性能明らかに難ありなのに、電子的部分だけ
「windowsの35日後更新機能」的仕組みを持ってる
みたいだね(苦笑)。
旦那さんはふんどしを履いていて、圧力的で絶対君主でした。下宿のご飯にお茶が出て来なくて、びっくり。「富山では女の人はお茶を飲まないのよ!」と・・・
一緒に下宿していた静岡の子はお茶の産地で、ご飯食べる時にお茶がないなんて信じられない!と泣いてました。静岡はお茶所なので、食前、食後のお茶の種類が違う位お茶を飲みます。とにかく年を取っていたのもありますが、かなりギャップを感じました。50年前とはいえ、かなりの男尊女卑を感じましたよ!
この記事を見て、とてもわかる気がしました。
我慢してればいい時も来るのになぁ。
それから26年、ずいぶん変わったと思いますが、変わったといっても元々ひどいので、こういう結果なのでしょうね。
昔は、我慢することが当たり前の時代でしたが
今は悩みも違うのでしょうね
我慢したのは、子供がどちらにもつかず一人でやる(小学・高年で)
この言葉に我慢し相手とは死別まで縁を、失う事も多かったけれど
今がよければ全て良しと思う暮らしを
子供の為にも 我慢してるのが 本音??多分
何のための結婚? 残念な気がします。
生活の中で多かれ少なかれ我慢したり妥協したり、何とか折り合いをつける場面はあると思いますが、それが一方的に女性側に押し付けられるとしんどいですね。
社会が変わらなければ、衰退を招くだけでしょう。
離婚は少ない方がよいが、離婚がしにくい環境も良いとは思わないけども、安易に結婚できる仕組みにも問題があるのではないかと。
nice!です。