「排除される人々」から見える国の本音~特別支援学校生の進学率除外と「生産性」という名の選別
文部科学省の学校基本調査で、大学進学率などに使用される18歳人口の集計から、障害のある児童・生徒が通う特別支援学校の卒業者が除外されていることが、毎日新聞の調査で判明したそうです。
これは、「生涯未婚率」とともに、「生産性のない層は要らない」という国の本音を表した統計と指摘されています。
文科省が発表する大学進学率は、高等教育を受けている人の割合、つまり国民の教育水準を示すめやすとして用いられています。
その算出方法は、高校卒業者ではなく、その3年前の中学校卒業者を母数にしています。
しかし、この計算には二重の「除外」が存在します。
1.中学校卒業後に高校に進学しなかった人々
2.特別支援学校中等部の卒業生全員
つまり、この統計は、もともと中卒者を「初めから存在しないもの」として扱っていたのですが、今回、新たに支援学校中等部卒業者もはずされていた、ということが明らかになったという話です。
障害者を除くことは、何が問題か
今日の情報源です。
特別支援学校生を18歳人口から除外 文科省、大学進学率が不正確にhttps://t.co/J33QbVtXCB
— 毎日新聞 (@mainichi) November 30, 2025
文科省の学校基本調査で、大学進学率などに使用される18歳人口の集計から、障害のある児童・生徒が通う特別支援学校の卒業者が除外されていることが判明しました。
では、障害者が除外されていることに、どんな問題があるのでしょうか。
1.統計自体が不正確になる
2.障害者を社会的に認めない差別の発想を疑う
「そんなこといったって、どうせ障害者なんか、大学に行かないだろう」と思われますか。
いやいや、令和5年の統計の推計では、300~400人が大学・短大に進学しています。
少数ですが、そこから司法試験に合格する人もいます。
『全盲の夫婦がみつけた、家族のかたち』懸念を覆した3つの決断。#大胡田誠 弁護士は「決断とは、自らつかみ取ること。勇気を持って人生を切り開くこと」と語っています。 https://t.co/mIhTab4qRx pic.twitter.com/lQjQVWgxcw
— 無明子 (@shirimochigome) March 31, 2021
私の長男のように、中途障害になっても、支援学校中等部から、普通の高校に「復帰」するケースもありますが、これも員数外扱いです。
かつて、特別支援学校は養護学校といわれ、「職業自立」や「生活介護」が主眼であり、アカデミックな高等教育への接続は想定されていなかったため、「障害者は別コース」という古い行政の区分けがありましたが、今は支援学校も、法的には「一条校」と言って、高等学校として認定されています。
なのに、統計に含まれないと、予算措置や支援策の対象から漏れやすくなります。
「特別支援学校からの大学進学は想定外」という前提で制度設計がなされれば、進学希望者への進路指導や、大学側の受け入れ体制の整備(合理的配慮)も遅れてしまいます。
この件は単なる「計算ミス」ではなく、「障害者の高等教育へのアクセス権」を軽視してきた行政の姿勢が数字に表れたものと言えます。
「障害者のくせに進学など、例外だし、どうせ卒業後も大した仕事もできないだろう」といわんばかりの、差別と偏見剥き出しの発想がそこにはあります。
「生産性」はあなたにも襲いかかる言葉かもしれない
「いや、自分は中卒でも障害者でもないから、そんなニュース、別にどっちでもいいよ」
とお考えの方、国の選別意識はそれだけではありません。
50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合を、かつては「生涯未婚率」と称し、現在は「50歳時未婚率」と称して、統計を発表しています。
でも、タレントの浅野ゆう子さんのように、57歳で初婚ということもあるし、
57歳で一般男性と結婚…浅野ゆう子(65)、顔出し夫との2ショットが話題に「美男美女」「ダンディーですね」(ABEMA TIMES)#Yahooニュースhttps://t.co/1FI4sytlEm
— 赤べコム (@akabecom) December 1, 2025
人生100年時代とうたうのなら、ことさら、「50歳」をターゲットにするのはおかしいと思いませんか。
私には、この統計の真意は、「子供を生む前提ではない結婚に意味はない、だから国が認める結婚は50歳までだ」、という冷たい国策を読みとれます。
国が勝手に、「適齢期」からはずれた「例外」を決めて、統計からそれを排除しているという意味で、今回の障害者を除く統計と軌を一にする発想を感じます。
要するに、これらの統計が示すのは、国にとっての「国民」像です:
・アカデミックな能力で社会に貢献できる人
・労働力としての生産性が高い人
・子どもを産む(産める)人
こうした基準を満たさない人々は、「例外の人々」として、国民の公式統計から排除され、社会的に不可視化された日陰者扱いされているわけです。
障害があろうがなかろうが、上の学校に行こうが行くまいが、結婚しようがしまいが、いつ結婚しようが、子がいようがいまいが、それで「国民の統計」に入れてもらえるかどうかの価値が決まるなんて、おかしいと思いませんかーっ。
「人生100年時代」を実現するのは自分自身
要するに、人生100年時代という建前だけは立派でも、まだまだ日本は従来からの偏見や硬直した価値観が、ほかでもない、私たちの「政府」によって再生産されており、それを実現できるのは、結局私たち一人ひとりの生き方にかかっています。
国が認める「生産性」だけを価値基準にしているような社会の、いいなりになる必要はないと思うのです。
旧弊な社会の「常識」だの「外聞」だのに負けずに、たとえいくつになっても、自己実現を求める豊かな人生を送りたいと思いませんか。

一生ブレない自分軸の身につけ方 ~やりたいこと、才能、目標を見つける!~ - 森田市郎
この記事へのコメント
何処に向かってるんでしょうね
『自己実現を求める』
⇒これまた、響きました。
NICEです(^^)
思いまぁーす:D
なぜ中卒者が母数に入ってないのか、ですが、高校に行かないのなら、どうせ大学にも行かないのだろうから、大学進学率の母数には入れないようにしよう、入れたら率が下がる、と見られているのだと思います。
現実には、高認(旧大検)で大学に行く人もいるのですが、そういうメインストリームではないケースについて、国は、一応制度は設けていても、推奨していないのだと思います。
人それぞれいろんな道があるのに、それも認めない国には怒りすら覚えます。
表向きは個性だの多様性だのと言いながら、結局は国とって都合のいい国民以外は価値を認めない、何とも度量のない国ですね。
我が家も子供がいませんので、すでに統計の外にいるのでしょう^^;
それならそうと開き直って、どこにも当てはまらないような面白おかしい人生を歩んでやろうと思います。
nice!です。
日本は基本的に「多い方が正義」が基本になっていますので、マイノリティーにとっては生きづらい国だと思います。
その割に生涯未婚率と言いつつ独身税なんかはちゃっかり取るつもりでいるでしょうし…
出生率低下は多様な生き方も有るでしょうが、基本的には(特に経済面で)安心して子供を産めない状況が主要因だと思います。
あくまでも全国民だとばっかり思っていましたが、国を良く見せようというよがりに過ぎない統計だと思いました。ある意味見栄ですね。
思って当然ですよね。
同じ人間なんです・・・日本ダメですね
国民をどう思っているのでしょうね。
正確ではないということですね。
税金を免除してほしいですね。
呆れる事が多すぎます。
ですが、解説して頂いて理解できました。隠れた意図が読み取れ
る統計の数字は鵜呑みにせず、怒るべき所は怒らなくては。
今まで知らなかったですが
私も統計から排除されています。