夫婦別姓問題、通称使用法制化へ

夫婦別姓問題、通称使用法制化へ

夫婦別姓問題に動きがありました。政府は夫婦同姓の原則を維持し、旧姓を使用することも認めることを法制化する方針を固めました。来年の通常国会に、関連法案を提出する方向といいます。これによって、夫婦別姓の法制化議論は決着を見ることになるでしょうか。

簡単に言うと、政府案は、夫婦の別姓はなく、旧姓の使用が法制化されるということです。

実はこれまでも、旧姓は政省令などを根拠に、住民票やパスポート、運転免許証などへの併記が可能となっていました

それが今回の法制化により、旧姓使用の法律上の根拠が明確化されることになります。

それによって、行政手続きや金融機関などで旧姓を使う人の、不便や不利益を解消する狙いがあります。

もともと、高市私案はこれを目指しており、連立与党となった日本維新の会も、基本的に同じ案を提案していました。

違いは、高市私案の場合、戸籍には手を付けずに、住民基本台帳に旧姓を記載するにとどめる案であり、日本維新の会は、戸籍にまでその変更を加えることでした。

しかし、私は以前書いたように、戸籍に反映してしまったら、一人が旧姓と婚姻姓のふたつの氏(ウジ)を持つという奇妙な事態になりますので、法制化で不都合がなくなるのなら、戸籍まではいじらなくてもいいのではないかと思います。

まあ、どちらであっても、選択的夫婦別姓推進派からは、反発は避けられないだろうと思いますが、旧姓使用は既に社会で運用されていますから、法整備を進めることは政府の立場では順当な方向と思われ、それを含み置いたうえで覆す議論ができるのかどうか、別姓推進派の真価が問われますが、どうなるでしょうか。

「国防」や「移民管理(安全保障)」から別姓に反対する意見も



たとえば、この記事についてのヤフコメのひとつに、このような書き込みがありました。

「現行制度では、国際結婚をしても外国人配偶者は戸籍に入ることができず、結果として別姓状態が維持される。
一方、帰化によって日本国籍を取得し戸籍に入ることは可能だが、その際には必ず夫婦のいずれかが氏を改め、夫婦同姓とする義務が発生する。
もし選択的夫婦別姓が実現すれば、この状況は一変する。婚姻に伴う帰化の優遇措置を利用した上で、氏を変えることなく戸籍への登録が可能になる。
これは、最強とされる日本のパスポートや、各種の社会福祉制度を、改姓なしで享受できる道を開くことになる。
特に、自国の家族にも帰化の優遇が及ぶ点は、特定の国(例:中国)にとっては大きなメリットとなる。」

何を言っているかというと、選択的夫婦別姓の導入が、外国人による日本国籍取得(帰化)のハードルを下げ、日本の社会保障やパスポートが不適切に利用されるのではないか」という懸念を示したものです。

もし「選択的夫婦別姓」になったら、姓をかえずに日本人になれる。日本人と結婚している外国人は、通常よりも短い日本滞在期間で帰化できる「簡易帰化」という制度があります。これと「別姓」を組み合わせることを懸念しています。

「日本人としてのウジを名乗る(名前を変える)」という覚悟や負担なしに、世界的に信用の高い「日本のパスポート」や、充実した「社会福祉(健康保険や年金など)」を手に入れやすくなると主張しています。

特に中国や韓国など、家族の結びつきが強い国の人々が、この制度を使って親族を呼び寄せたり、日本の制度を利用しやすくなることを「日本の不利益」として警戒しているわけです。

このコメントは、夫婦別姓の問題を「国防」や「移民管理(安全保障)」の観点から捉え、反対している意見です。

「夫婦同姓の強制は、安易な帰化を防ぐ最後の砦(とりで)であり、それをなくすと日本の制度がただ乗りされてしまう」という危機感を表明しています。

ところが、従来の選択的夫婦別姓推進者の論理は、「アイデンティティ」とか、個人次元の文脈でしかなく、このコメントのような社会的な不安や反対意見を解決する向き合い方をしてきたのでしょうか。

そうした議論がない限り、おそらく政府案が通って、「選択的夫婦別姓」の議論は終わってしまうと思います。

何を名乗ろうが自分は自分


私は、再三書いているように、旧弊な家制度の文化を否定した、新しい民法に基づく家族観を願っています。

その意味では、家制度の名残がある現制度を変えること自体は賛成ですが、とはいえ、取り沙汰されている「選択的夫婦別姓制度」には瑕疵があり、何より推進している勢力が、率直なところ、うさんくさくて気に食わないと思っています。

たとえば、ある大阪の女性参議院議員は、「選択的夫婦別姓が国際基準だ」などと政治家のくせに嘘までついて、強引に導入を求めていました。

反対と論点ずらしが目立つ立憲民主党が、なぜこの法案だけは一貫して執念を燃やし続けているのか、なんとも気味が悪い思いでした。

けだし、上記のコメント者のような懸念も出るわけです。

ただ、私自身は、読みだけですが姓をかえた経験もあり、人生のステージが変わるごとに名前が変わっていくのは、むしろその軌跡の証明だと思っているので、姓を変えたらアイデンティティがなくなるなんて考え方はしません。

いや、人間の一生なんて不一不異なんだからさ、自分が何を名乗ろうが、肩書がどう変わろうが、自分は自分です。姓が人格を決めるわけじゃない、自分軸を見失わずにいればいいんだよ、といいたいところです。

みなさんは、今回の政府決定、いかが思われましたか。

選択的夫婦別姓は、なぜ実現しないのか?:日本のジェンダー平等と政治 - ジェンダー法政策研究所, 辻村 みよ子, 糠塚 康江, 大山 礼子, 青野 慶久, 浅倉 むつ子, 石田絹子・西村かつみ, 井田 奈穂, 中北 浩爾, 二宮 周平
選択的夫婦別姓は、なぜ実現しないのか?:日本のジェンダー平等と政治 - ジェンダー法政策研究所, 辻村 みよ子, 糠塚 康江, 大山 礼子, 青野 慶久, 浅倉 むつ子, 石田絹子・西村かつみ, 井田 奈穂, 中北 浩爾, 二宮 周平

この記事へのコメント

2025年12月04日 22:29
日本のガラパゴス化を推し進める高市早苗にNOの立場です。
2025年12月04日 23:02
補遺
「推進者」のひとりである社会民主党の福島瑞穂党首は、「選択的」別姓論者ではなく、「強制的」別姓論者です。それを宣言した弁護士時代の岩波の本『結婚と家族』(1992年)は絶版回収になっていないので、今も同じ意見だと思います。これは当時、『しんぶん赤旗』でも「行き過ぎ」と批判されていました。
だから、今の彼女のスタンスは、弁護士議員のくせに正体を隠したアンフェアな態度です。
そういう嘘が、私は我慢ならないのです、嘘つきは高市さんだけではありません。右だから、左だからとポジションで忖度するポジショントークなんかやってるから日本はよくならないのであり、嘘つきは誰であれみんな許してはいけないのです!
2025年12月04日 23:21
根本的に日本人の定義って何でしょうね
元はアイヌ系?はたまた琉球系?
今日本人と言ってる我らはモンゴル系
そこまで深堀しちゃイカンかな
2025年12月04日 23:47
姓が変わるとアイデンティティーが失われる?

私は親の離婚や自分の離婚・再婚で、片手では収まらないくらい姓が変わっていますが、自分は自分ですけどね。

姓を変えるのがそんなにいやなら、お連れ合いとどっちの姓にするか相談したらいいだけの話じゃないんですか。個人的に解決することですよね。

結婚したら夫の姓になるという慣習には逆らわず、でも法律のほうでそうしなくてもいいようにしてくれたらいいなんて、自分のことなのに人任せなのはどうなのかなと思っちゃいます。
2025年12月04日 23:49
自分としてはすでに姓が変わって36年以上経っているし、旧姓などもう必要ともしないので法が変わった所でなんともないのですが…
「選択的夫婦別姓」になったら、姓をかえずに日本人になれると言うのに懸念があります。
この制度を使って親族を呼び寄せたり、日本の制度を利用しやすくなること、今でも結構中国人が自由に親族呼び寄せたり日本の土地を買ったりしているのに、これにも増してって…
2025年12月05日 01:34
先程は「終わった話」などと書き、大変失礼しました。
熱い議論、拝読しました。
国際化の多様性の中で、別姓はひとつの流れだと思いますが、姓という長い歴史の文化に対する推進側の強引さや一貫性の欠如は、透明性や信頼性を築く上で大きな妨げになっていると思います。
強引なアプローチが見える場合、人々は「意図があるのではないか」と疑念を抱くこともあります。
政策推進者が誠実さを持って対話を進めることが、より多様な意見を尊重し、合意形成に向けた道を開くことにつながるでしょう。
結婚によって姓が変わるという慣習をただ受け入れるだけで、法律の変更に委ねることには、確かに他責的な側面があるという見方もできますね。
こんなところですが宜しく。
2025年12月05日 04:29
家族の型が変わる?反対派の論理がわかりません。
それに選択制だから、他人があれこれ言う必要がないんじゃないかな。
2025年12月05日 04:42
おはようございます!
nice!です。
pn
2025年12月05日 06:19
免許証にパスポート、日本って世界的にとんでもなく信頼されてるんだな。
それはさておき、韓国人とかの通名はどうなるんだろう?
2025年12月05日 06:23
積極的に国力衰退に取り組む姿勢としては末梢的議論の強調と見ます。
数百年後に、通り名の事情が考古学者に理解できるように、つとめて
自分の事は自分で明快にかつ強調して後に残すという行為が、無常の
世の定めとしては賢明だと私は考えています。自分の事は自分ででは?
2025年12月05日 06:49
私は夫婦の別姓はなく、旧姓の使用が認められるだけで充分な気がしますが・・・
後はどちらの性にするかは夫婦同士が決めればいいのでは?
ガラッと変えると色んな新しい問題が出て来そうです。
2025年12月05日 07:57
昔人間です。でも女性からいうと別姓希望の人もいるでしょうね。
2025年12月05日 08:13
拝見しました。
NICEです
2025年12月05日 08:53
立場によっては自分の姓を変えたくない人も
いるのでしよう。
やはり議論を尽くして時代に合った法案に
なって欲しいです。
2025年12月05日 09:35
こんにちは・・・(^-^)!!
家制度がなくなっている現代、いろんなことを
考え直す時期なんですね❓
2025年12月05日 09:35
拝読させて頂きました。
2025年12月05日 12:05
今の職場の既婚女性はみんな旧姓を使用しています。
私もそうですが、アイデンティティの問題ではなく、その方が仕事上便利だからです。
そんな感じであまり深刻には考えておらず、選択できるならいいんじゃないの、ぐらいの感覚でした。勉強不足でお恥ずかしいです。
制度の変更にはもう少し詳細な詰めが必要な気がいたします。
2025年12月05日 14:22
わたしは、自分の旧姓がいやで(あまりない姓だから、人に伝える時に、てまどる)主人の姓にほれました(^-^)
短くて一発で聞きとってもらえます。なので夫婦別姓は考えられませんが、それを 望む人には自由にしてあげたらいいと思います、ただいっぷくさんのおっしゃるとおり、戸籍までいじらなくてもいいと思います、パスポートの悪用、健康保険制度の拡大解釈の家族呼び寄せなど危惧があるのなら、考えて欲しいとおもいます、いまでも日本の保険制度を使って外国人の家族が手術したり治療したりしていると聞いています、医療保険がこんなにも崩壊ひっ迫しているというのに。
2025年12月05日 15:19
昔は それが当たり前  と 思ってたことも  当たり前じゃなく
どんどん世の中が  変わっていて  ついていけない 昭和です
2025年12月05日 17:01
いろんな事が変わりすぎて、私もついて行けまん。
以前「夫婦別姓」が出た時、その子供はどちらの姓に?
とても疑問を覚えましたが、良い方向に行くように願うばかりです。
bgatapapa
2025年12月05日 17:27
日本は世界の国に比べて良い国なんでしょうね。
2025年12月05日 21:24
旧姓に戻りたい時期もありましたが姓が変わって
70年近くに、一人になって悩みも消えて(*'▽')
2025年12月05日 21:56
名前どちらでもいいです。