「早さ」と「浅い読み」が落とし穴の「消しゴム5円の鉛筆クイズ」
今朝、Xを見たら、人気テーマを紹介する「「いま」を見つけよう」というカテゴリーに、「消しゴム5円の鉛筆クイズが多くの人を騙す」というポストがありました。「最近のXを見る限り、この問題が解ける健常者はユーザー全体の2割ぐらいしかいなさそう」と書かれています。
ポストされている、「消しゴム5円の鉛筆クイズ」自体は、ごくありふれた小学校高学年レベルのの算数の問題です。
「鉛筆と消しゴム、会わせて110円。鉛筆は消しゴムより100円高い。では消しゴムの値段は?」
みなさん、解いてみてください。
正解は、消しゴムをx円、鉛筆をx+100円として、2x+100=110からx=5円です。
ところが、多くの人が、「100円高い」というので、単純に110から100を引いて10円と勘違いし、合計が120円になってしまうパターンが目立ちました。
投稿者は、「解ける人は2割くらい」と皮肉り、700万ビュー超えの反響を呼びました。
このクイズがウケる背景には、「簡単そうに見える問題に多くの人が引っかかる」という人間の認知特性の面白さと、SNSでそれを共有する楽しさがあるのでしょう。
しかし、私は、これこそ、Xの重大な問題点を象徴していると思いました。
もちろん、Xのユーザーは算数もできない、ということではありません。
SNS、特にXのような高速で短い投稿が流れるプラットフォームにおける「流し読みの習慣」 と、それに伴う危険性について、深い示唆が得られたのです。
「揚げ足取り」や「誤解に基づく炎上」の構造的相似性
今日の情報源です。
最近のXを見る限り、この問題が解ける健常者はユーザー全体の2割ぐらいしかいなさそう pic.twitter.com/38fT00FQID
— ???????????? (@ib_kiri) December 9, 2025
Xのタイムラインは高速で流れ、多くのユーザーは投稿を「一瞥」して、即座に「いいね」「RT」「リプライ」等の反応をすることが習慣化しています。
このクイズでも、問題文をじっくり読まずに、直感で答えようとすることで誤答が生まれました。
これは、「短時間で大量の情報を処理する」SNSの特性が、深い理解や検証を犠牲にしていることを象徴しています。
このクイズの、「消しゴム10円」と早合点するパターンと同様に、SNSの日常では、記事の見出しだけを読んで中身を確認せずに怒ったり、一部を切り取って批判したりすることが頻発します。
問題を正確に読めば簡単に解ける(=事実を確認すれば誤解が解ける)にもかかわらず、感情的・直感的な反応が先走る点が非常に似ています。
しかも、それが拡散されていくのです。
「直感的にわかった気になる」→「すぐにシェア(またはコメント)する」という流れは、デマや誤情報が広がるプロセスと共通しています。
「みんなが言っているから」「一見正しそうに見えるから」という表面的な信頼が、事実確認を省略させてしまいます。
ですから、このクイズのバズり方は、私たちに対して以下のように警告していると言えるでしょう:
一見簡単に見えることほど、一度立ち止まって確認する
情報でも議論でも、表面だけを読まず、前提条件や文脈を注意深く読む習慣が大切。
直感に頼らず、少し計算(検証)する
感情的・直感的な反応の前に、「本当にそうか?」と一歩引いて考える余裕を持つ。
SNSの特性を自覚する
プラットフォームが「速さ」や「感情的な反応」を促進する仕組みであることを理解し、受け手側が能動的に「深く読むモード」に切り替える必要性。
いかなる価値観で使うか
このクイズ自体は、無害な「認知バイアス訓練」 として機能しています。
このクイズで、「自分も騙された!」という体験を通じて、「普段SNSでどれだけ浅く情報を処理しているか」 に気づき、今後の情報接し方に活かせる可能性があります。
結論として、このクイズが多くの人を騙す背景には、SNS環境が育てた「流し読み習慣」と「直感優先の反応」 が大きく関わっており、それは単なる算数の間違い以上の、現代の情報リテラシーに関する寓意を含んでいると私は思いました。
といっても、Xというメディア自体を否定しているわけではありません。
私も、このブログでは、Xでバズっているトレンドな話題をよく使っています。
また、私は、芸能人と写真を撮ったり、サインを頂いたりということは昔からあまり興味はなかったですが、自分の作品レビューをどう受け止めてくれるだろうかとか、自分の見解は正しいのだろうかとか、そういったアプローチを、俳優や作家などご本人・当事者・関係者と直接できることについて、SNSは大変ありがたい媒体だと思っています。
それだけに、その貴重な経験を上っ面ではなく、自分の理解を助ける正しい方向に使っていただきたいと思います。
さて、冒頭の「消しゴム5円の鉛筆クイズ」は、正しく解けましたか。

SNSマーケティング図鑑 - 辻 馨
この記事へのコメント
100円って言いそうになるけど、違いますね。式は使わなかったけど、解けました!
今はチラ見してパッと次へ行く、みたいなことは増えてますね。
噂のようなことは特に注意が必要かも。
あと、儲け話とかね^^;
間違えたワタシって……
良く考えたら、5円ですよね。
こういう所、何か性格出ちゃうな~って思いました。
nice!です。
は、幼児レベルの頭でしたので・・(笑)。
ちょっと理解してない私はバカチンかな?
NICEです
認知バイアスは、池谷裕二さんの著書でも語っていたことを思い出しました。
もう一度、読み返そう。
即答できると思っていないのが功を奏してか正解できました^^;
情報収集の手段の一つとしてSNSは活用していますが、よほど感銘でも受けないと「いいね」はしません。
「推し活」は別です^^
ただし公式が発信したものに限ります。ファン個人の発信はあくまでその人のもの、根っこの考え方が違うことも多いですから、いいねもシェアも基本はしないです。
じっくり読んで正解でした。
最近、こういう問題がすんなり解けなくなっています。
10円って言いたくなりますね(笑)
スルーです。
と思って、じっくり考えたらたしかに5円でした
100円高いんですものね。
2割にははいれませんでした、でも生活していくうえで消費税であろうとなんであろうと、おおざっぱに計算してだいたいがわかればいい、もっているお金でたりればいい、という程度の学力で、ことたりています(^-^)
言葉のあやでミスを誘うパターンで、所謂引っ掛け問題で多くは正解率〇〇%とかで興味を誘うケースが多いのも特徴ですね。
全てでは有りませんが文章を正しく理解出来ない方は思考が浅く自制出来ない方が多いように見受けられます、偶々私の周りがそう言う方ばかりなのかもしれませんが…