政治家の資産公開と国債保有のメリット
昨年7月に当選した参院議員125人の資産公開で、資産トップのチームみらい安野貴博氏は、3.6億円の大半を国債などの有価証券であることが話題になっています。はて、国債はそんなに運用益がいいのでしょうか。国債を買うメリットはなんでしょうか。
YouTuberであり、人工知能(AI)関連企業の創業者であり、チームみらいを結党して参議院議員に当選した安野貴博氏。
総額3億6098万円のうち、大半が国債などの有価証券で、その他、米IT大手のアマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アルファベット(グーグル親会社)、米半導体大手エヌビディアの4銘柄計68万4865株の株式の保有も報告しています。
株券は、銘柄と数のみ申告するため資産額に含めていません。
米IT関連株はともかくとして、これだけの資産家が、株式投資運用ではなく、国債というのは意外な気もします。
国債の運用益(利回り)は、株式などに比べれば決して「いい(高い)」わけではないからです。
2025年~2026年の金利上昇局面においても、利回りはせいぜい年1%前後(10年債)といった水準です。
では、なぜ億単位の資産を持つ富裕層や政治家が、あえて利回りの低い「国債」を大量に保有するのか。
そこには、「儲ける」こと以外の、3つの明確なメリット(合理的な理由)が存在します。
クリーンで「鉄壁の守り」の資産運用
今日の情報源です。
チームみらい安野氏3.6億円 参院資産公開、上位に著名人https://t.co/ROx8V1fWDm…
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) January 5, 2026
1. 「ペイオフ対策」としての安全性(これが最大の理由です)
銀行預金には「ペイオフ」という制度があり、万が一銀行が破綻した場合、元本1,000万円とその利息までしか保護されません。
仮に3億6,000万円を、一つの銀行に預けていてその銀行が潰れた場合、3億5,000万円が戻ってこないリスクがあります。
これを避けるために、複数の銀行に1,000万円ずつ分けるのは、管理が非常に手間です。
一方、日本国債は「日本国」が破綻しない限り、元本と利子が全額保証されます。
つまり、富裕層にとって国債は「儲けるための投資」ではなく、「絶対に減らさずに、安全に巨額の現金を保管する場所」(巨大な金庫)としての役割を果たしているのです。
2. 政治家としての「身の潔白」の証明
これは政治家特有の事情ですが、株式を大量に保有していると、「特定の企業や業界に利益誘導しているのではないか?」「インサイダー取引ではないか?」という疑念を持たれやすくなります。
その点、国債は、「国にお金を貸している」だけですので、利益相反の疑いがかからず、「資産公開した際にクリーンに見える」という大きなメリットがあります。
3. デフレ・不況への備え(守りの資産)
株価は景気が悪くなると暴落するリスクがありますが、国債は満期まで持てば元本が割れることはありません。
安野氏のような実業家出身の方は、ご自身の事業や未公開株などで既に大きなリスク(とリターン)を取っていることが多いため、手元の現金資産については「増やす」ことよりも「絶対に守る」ことを重視するポートフォリオ(資産構成)を組むのが一般的なのです。
安野氏が、国債を大量に保有しているのは、運用益で儲けようとしているのではなく、「銀行預金よりも安全に、かつ政治的にもクリーンな状態で、数億円の資産を目減りさせずに維持するため」であると考えられます。
現在、金利のある世界に戻りつつあり、国債も以前(ほぼ0%)よりは魅力的な利回り(1%超など)になってきていますが、本質的には「攻め」ではなく「鉄壁の守り」の資産だと言えます。
金利が上がってきた2026年
2026年1月現在、日本は明確な「金利のある世界」に移行しており、直近のデータに基づくと、国債の金利は約1.2%まで上がっています。
銀行の定期預金などと比べても、かなり魅力的な水準になってきました。
現在の具体的な金利水準(2026年1月時点)(財務省公式サイトより)
個人向け国債(変動10年)の金利:約1.23% 直近(2025年12月募集分)の金利は1.23%でした。
これは、1,000万円預けると年間で約12万3,000円(税引前)の利子がつく計算です。ほんの数年前まで0.05%(1,000万円で5,000円)程度だったことを考えると、約24倍の水準に跳ね上がっています。
銀行預金の金利:0.3%~0.75%へ上昇中:日銀が2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げたことを受け、メガバンクなどは2026年2月から普通預金金利を0.3%(これまでは0.1~0.2%程度)に引き上げる動きを見せています。一部のネット銀行やあおぞら銀行などでは、0.75%近い金利を提示するところも出てきました。
しかし、国債には及びません。
専門家の予測では、2026年中に長期金利がさらに上昇し、2%台を目指す可能性も指摘されています。 その点、「個人向け国債(変動10年)」は、世の中の金利が上がれば、自分の持っている国債の金利も半年ごとに自動的にアップする仕組み(変動金利)になっているため、インフレや金利上昇に非常に強い「負けない資産」として、現在改めて注目されています。
もしお手元に、当面使う予定のないまとまった資金(定期預金のままになっているものなど)があれば、ペイオフ対策も兼ねて、銀行や証券会社を通して「個人向け国債(変動10年)」へ一部移されるのは、今の経済情勢において非常に理にかなった選択肢といえるでしょう。
国債はお持ちですか。

はじめての日本国債 (集英社新書) - 服部孝洋
この記事へのコメント
私の祖父は戦前国債をかなり持っていたらしいのですが、敗戦によってすべてパーになってしまったと聞いたことがあったので、あまりいいイメージを持っていません。
そんなこともあって私は国債は持っていませんが、今の状況であれば国債を持つのもいいかもしれませんね。
超長期の30年や40年を買ったら満期になる前に人間の満期が来てしまいそうですが…^^;
銀行ではペイオフ対策で金利が付かない代わりに全額保証する決済用預金口座と言うシステムも有りますね。
もっともそれほどの額は持ち合わせていないので一生縁のない世界ですが…^^;
でも、元本割れしないのが良かったと思います。
今は、かなり金利も上がっているのですね。
おかげでローンの金利も上がってしまっていますが…^^;
戦争がもし始まれば紙くずになるけど
国債は 5年を買っています。
nice!です。
その時は国債があまりよくわかってなかったので定期にしたのですが、最近国債の利率が上がったので、定期解約して国債に替えようかな?と思ってた所にこの記事でそうしよう!と思う気持ちが強くなりました。
今の所、前回の大戦前後の流れから見ているので。国債は現行
全く保有していません。メリットとしては、とにかく借金すれ
ばそれで良いという考え方を、国に再興させる根本理由に、
なりうるという点が、持たない事の効果と一応考えられると私
は思います。
これだけ金額が多いと国債の利回りが少々悪くても
「数は力」ですから そこそこ運用益は入ります。
国債は持ったことはないのですが、短期で持てるなら・・もう若くないので・・定期より良いかもしれませんね。
政治家がいくら持っていようと良いではないかと思います。
悪を前提にしているから裸にしてしまうんですね😂
使わなければただの紙切れ~と言いながら薄氷の上を歩く暮らし"(-""-)"
NICEです(^^)
遅くなりました
m(__)m
新年あけましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願いいたします