歳を取ると抱きがちな「昔は良かった」という懐古趣味を問う
歳を取ると抱きがちな、「昔は良かった」という懐古趣味に対し、客観的なデータや自身の価値観を交えて疑問を呈している記事が話題です。著者の山口明さんは65歳。「プロ童貞・現代アーティスト」という肩書がそもそも面白かったので、記事を読んでみました。
記事は、日刊ゲンダイデジタルのXアカウントが、コクハクというサイトの記事をリポストしていたので知りました。
既存のメディアが既存のメディアをリポストするというのは異例のことですから、興味深いと思いました。
プロ童貞の山口明さんは、高齢者が抱きがちな「昔は良かった」という懐古趣味に対し、客観的なデータや自身の価値観を交えて疑問を呈しています。
過去の治安や、衛生環境を美化しすぎる風潮を指摘した上で、そうしたノスタルジーが、現代のビジネスや政治に利用されている現状を批判的に考察しています。
過去への執着に浸るよりも、未知の未来に期待を寄せる方が健全であるというのが彼の主張です。
65歳で未経験という自身の境遇を前向きに捉え、「これからが全盛期」と考える生き方の重要性を説いています。
人生の後半戦においても、過ぎ去った日々を嘆くのではなく、日々の発見や喜びに目を向けるべきだと締めくくっています。
「過去の方が良かった」なんてそれ自体が不幸
今日の情報源です。
【山口明の童貞日和 】「昔は良かった」は本当か? モテ期を信じる“65歳童貞”が嘆く人に伝えたいこと https://t.co/ysiCQEmNEq #コクハク pic.twitter.com/YZI7KFh5Dw
— コクハク【公式】担当編集者 (@kokuhaku_lover) January 9, 2026
「昔を懐かしんじゃいけねーのか。そんなもの、内心の自由で、誰にも迷惑かけないだろう」
と思われますか。
もちろんそのとおりです。
ただ、過去を美化するノスタルジーという感情には、客観的な事実から目を背けさせ、政治やビジネスによる大衆コントロールの道具として利用されるという社会的リスクがあると、プロ童貞(←深い肩書)の著者は指摘しているのです。
たとえば、現代は昔(たとえば昭和)に比べ、近代化によって街が清潔になり、統計上の犯罪発生率が下がって治安が良くなっています。
にもかかわらず、「昔のような味わいが失われた」「最近は凶悪犯罪が増えた」といった、事実と異なる感覚的な嘆きが優先されてしまいます。
昔は治らなかった病気が治るようになったり、インターネットが出来るようになったりしたことも忘れないでほしいですよね。
そういうときって、「良くなったこと」は見ようとせず、不平不満だけが出てくるんですね。
しかも、その原因を合理的に正そうとするのですなく、「昔に比べたら今は悪くなった」と、時代のせいにして、結局問題解決と向き合うことから逃げているわけです。
著者は言います。
「そもそもだけど、オレに言わせれば「今よりも過去の方が良かった」と考えるなんて、それ自体が不幸だと思うのよ。
オレは65歳の今でも「この先におもしろいことがあるんじゃないか」と毎日のように思っているし、「これからモテ期が到来して、70代で初体験もあるかも?」なんて考えると0909(ワクワク)して、毎朝5時に目が覚めちゃう(笑)。」
私は同世代ですが、この気持ち、よくわかりますよ。5時には目は覚めないけど。
といっても、私も以前は、少なからず、「昔(はよかった)」にとらわれることもありました。
それが変わったのは、私の学生時代の同級生がFacebookに、還暦の挨拶として、「自分には出来過ぎた人生だった」と書いたときです。
自慢と謙遜が込められた絶妙な表現だと思いましたが、ひるがえって自分はどうかというと、そんなセリフ、いくらミエや虚栄心を刺激しても書けません。
その投稿は私に、自分自身は不完全燃焼の不本意な人生だった、ということを改めて考えさせてくれたのです。
私は、「このままじゃいけない。これまでのつまらなかった人生を、還暦以降で少しでも取り戻したい」と、その時に思いました。
それからは、過去は、自分を奮い立たせる契機になる(する)ことはあっても、「昔は良かった」などという情緒的な振り返りをすることは2度となくなりました。
昔がよかろうが悪かろうが、未来をもっと良くすればいいだけの話だ、と考えるようになったのです。
昔がそんなによかったら、今、人生やってる意味ないでしょ?
私たちは、過去ではなく今に生きており、それが未来につながるわけですから。
未来に目が向くと過去は目に入らなくなる!?
50年目の俺たちの旅観てきました。高校生の頃、毎週楽しみにしていた青春ドラマ。カースケ、オメガ、グズロクの3人は今もあの時のまま。
— うっち (@thankyouteru) January 10, 2026
オープニングが始まり、涙が出てきました。なんの涙?このドラマが好きすぎて、息子の名前は浩介といいます。#50年目の俺たちの旅 #日比谷TOHO pic.twitter.com/WLp0VjTQTK
『俺たちの旅』、公開されましたが、映画はご覧になりましたか。
以前の私なら、真っ先に見に行ったと思います。
でも今は、正直それほどは……、アマゾンプライムに降りてくる頃には、もしかしたら見るかもしれませんが。
高齢者が、涙しながら見ているとか、死んだ設定にしているヨーコ(金沢碧)をモチーフにストーリーを作っているとか、そういうことを聞くとね、作品自体の完成度は高かったとしても、やっぱり過去を「振り返る」作品なんですよね。
人生振り返れる人は、そういう映画で涙出来る。
振り返りが悪いとは書いていませんよ。人生やり遂げたと思う方は、それでいいと思います。
ただ、いま現役で、そんな余裕はない者がそれをやったら、過去を思う気持ちにエネルギーを奪われてしまうような気がするのです。
といっても、私は今でも、50年前の映画やドラマを見ないわけではありません。
その時に、その価値観で作って完結している作品なら、文芸作品として純粋に楽しめます。
でも、その設定を現在まで「リアルに」引っ張ってくる作品というのは、「時間軸」がテーマになりますから、いやでも過去を思い出させ振り返らせますよね。
だから、今の私は、この作品を観ることを躊躇してしまうのです。
私はやはり、生涯現役でありたいです。
「昔は良かった」という振り返りは、されますか。

戦前の少年犯罪 - 管賀 江留郎
この記事へのコメント
あの頃のあのドラマだからこそ見ていたので、現在になってみるとちょっと違うかなって…
過去を振り返ってあの頃は良かったって思う事もありますが、その頃に戻れるわけではないのですぐ忘れます。
昔が良かったと思う事はないです
今が一番楽しくなるよう過ごしたいです
nice!です。
ではありますが、残念ですが時間無いです。過去に対する
振り返りは、yes.でします。日本の世界における地位、
前の方が高かったし、もっと上がる感、今より強かった
ですからね。
やはり今が良いです。
バブル崩壊後の停滞と閉塞感の強い時代に、ずっと親の介護をしながら生きてきましたから、振り返っても楽しい過去が少ないからかもしれませんが^^;
いい事も悪い事も過ぎたことはそれまで。それよりは今が大事です。
「俺たちの旅」は当時欠かさず観ていました^^
昔が良かったと思い込んでいるロクデナシの政治家が、昭和の戦前を想起させるような発言をして、そんな妄言を吐く政治家の支持率が高いとか最低ですよ。
結局、日本人のかなりの割合の人が前に進めないガラパゴス族なんでしょう。
だから日本は衰退しているんでしょうね。
あんまり昔の方が良かったと思うことはないですね
今のほうが圧倒的に良いです。
今日は朝から強風です。
海には波浪警報が出ています 😂
90歳にもなるとほとんどの人が若い人になります。
昔を知らない人ばかり。
昔しかなくなると今がどんどん悪くなっていくように感じます。
軍国主義から敗戦で民主主義へ。
その辺が昔になるのですが・・・良い事ばかりではなかった。
でも、その悪かった頃に戻っている様です。
人間の愚かさは何時になっても変わりませんね。
わたしは今75歳ですが、あと20年遅く生れたかったです
いろいろな事が発展して、昔ではかんがえられなかった技術が進歩して便利になっています、こんな恩恵とも寿命で間もなくお別れなんです。
ITなどの技術だけでなく、職場や、家庭のハラスメントもなくなり、現役の人がとてもうらやましいと思います。
夫の暴言も、上司の圧力セクハラもなくなり、街はきれいに清潔に、食べ物も安全安心。
それでも、わたしたち世代はもっと前の世代に「うらやましい」と言われてましたよ。これはウーマンリブのはじまりだったからですね、そして女性を楽にする家電がどんどん、出てきましたから。
刹那、意味のない済んだこと。
どちらかというと、悪いことの方が多かったので、
「済んだことは無かったことと同じでござんす」という
木枯らし紋次郎のせりふが私には正解かとおぼえます。
この方の考えとても共感しました。「過去はどうの...」にしがみつくのは嫌いです。 「昔はこうだった...」懐かしむのは誰でもあると思いますけどね。
今がいちばん自由で好き放題できて、よいです。
己を捨てて家族に貢献・結婚も幸せとは遠い暮らしを
そしてひとり身になって15年を過ぎた今、朝な夕なに
思う事、細やかでも一人で暮らせる環境に感謝し幸せを満喫
平和だと実感してます!
確かにやりたい放題していた方にとっては昔の方が良いでしょうが、アルハラや喫煙、気合だの精神論だのと言った非科学、非論理的な論調には違和感しか有りません。
現在は昔と比べれば随分と是正されてはいるものの私的にある意味行き過ぎた部分も有りますね、まぁ色んな考えの方がいらっしゃいますから自らの考えと合致しない部分も出て来るのでしょうが…
>2026年01月11日 11:23
>老いるということは過ぎ去った日々を愛おしく振り返る時
全くおっしゃるとおりで、色々理屈をつけても、結局「昔が良かった」の正体は、自分の若い頃の懐かしさ、要するに自分の老いに対する恐れなのです。
>2026年01月11日 08:55
>過去の振り返りは未来の滋養へ繋がると考えています。「昔は良かった」だけでなく、悪かった事、悲しかっ>
>た事、苦しかった事など反芻することは必要ではないでしょうか。これからの人生をよりよく生きるためにも、
>節目節目の振り返りは大切なものと感じています。
これは、わら人情論法、もしくは悪意のミスリード。
過去を手放したくない人の、自己防衛的な読後感の調整と読みました。
私が問題にしたかったのは『昔は良かった』という感情が、未来への行動を止めてしまう場合です。
つまり、「振り返るか否か」ではなく、「生の重心をどこに置くか」を書いており
高齢期における“現在進行形の実存”をどう引き受けるか
という、かなり強度のある問いを投げています。
それに耐えきれない人は、往々にして、そういう「反論」をするんですよね。