NSDR(Non-Sleep Deep Rest:非睡眠時の深い休息)徹底解説
NSDR(Non-Sleep Deep Rest:非睡眠時の深い休息)というリラクゼーションが最近話題になっています。中身は、古くからある「ヨガニドラ(Yoga Nidra)」や「自己催眠」の技法を、宗教色を排して科学的な裏付けのある実践として再定義したものです。
NSDRは、スタンフォード大学の神経科学者であるアンドリュー・ヒューバーマン博士が提唱した概念で、「眠らずに深い休息状態に入る」ためのテクニックを総称したものです。
具体的には、ヨガニドラ(眠りのヨガ)、自己催眠、誘導瞑想などの手法を含んでいます。
従来のヨガや瞑想にあった宗教的・精神的な用語(チャクラ、マントラなど)を排除し、「脳の回復ツール」としてパッケージし直したことで、エンジニアやビジネスパーソン、研究者などが抵抗なく取り入れやすくなりました。
NSDRの目的は、睡眠に入ることなく、脳と身体を深くリラックスさせ、回復させるものです。
実践方法としては、
1.静かな場所で横になり、
2.音声ガイドに従って身体の各部位に意識を向けながら深い呼吸を行い、
3.意識を保ったまま副交感神経を優位にする
というものです。
通常10~30分程度で行われます。
GoogleのCEOであるスンダル・ピチャイ氏が実践していることで話題となりました。
「10分のNSDRが、3~4時間の睡眠に匹敵する」といわれています。
科学的根拠はあるのか
NSDRは、怪しい疑似科学ではなく、「伝統的なリラクゼーション技法(ヨガニドラ)に、現代の神経科学的な説明を与えたもの」(Gemini)です。
特に、日中の集中力が低下した際のリセット法としては、健康的とは真逆の糖分や添加物の含まれたエナジードリンクを飲むよりも生物学的に理にかなっていると言われています。
NSDRの科学的根拠については、いくつかの研究データが報告されています。
ヒューバーマン博士の研究によれば、NSDRの実践により脳内のドーパミン濃度が最大65%増加することが示されています。
ドーパミンは意欲や学習に関わる重要な神経伝達物質であり、この増加は集中力の向上や学習能力の改善につながると考えられています。
また、NSDRは、神経可塑性(脳の学習・適応能力)を促進する効果があることも報告されています。
学習直後にNSDRを行うことで、記憶の定着が促進され、学習速度と深度が高まることが複数の研究で確認されています。
これは、深い休息状態が脳の情報整理プロセスを活性化するためと考えられています。
さらに、ヨガニドラ(NSDRの一形態)に関する2024年の研究では、2週間の実践により睡眠の質が改善し、脳の処理能力が向上したという報告もあります。
脳波測定では、NSDRの実践中に副交感神経が優位になり、心拍数や血圧が低下することも確認されています。
ただし、睡眠の完全な代用にはならない
「音声ガイド」はネットにいくつかありますが、この動画をAIのGeminiは勧めています。
「非常に論理的で落ち着いた誘導です。「今、身体のどこに意識を向けるべきか」が明確で、雑念が湧きやすい初心者でも集中しやすいです。」とのこと。
ただし、NSDRは、「短時間でのリフレッシュ」や「学習効率の向上」には極めて有効ですが、身体の組織修復や老廃物の除去など、深いノンレム睡眠(徐波睡眠)中にしか行われないプロセスを完全に代替することはできません。
たとえば、睡眠中、特に深いノンレム睡眠中に、脳脊髄液(髄液)が、脳内の老廃物であるアミロイドベータ(アルツハイマー病の原因物質とされる)を洗い流してくれるというメカニズムが、最新の脳科学研究で明らかになっています。
これは、本当の睡眠でないと得ることができない作用ですから、NSDRでは出来ません。
NSDRが、3~4時間の睡眠に匹敵する回復効果があるという説は、あくまで「疲労感の軽減」や「認知機能の回復」の面においてです。
NSDRさえ実践すれば睡眠不足でもいい、ということではありません。
もうひとつ、本来は宗教的実践であるのを、宗教色を排除した形で採り入れることの是非も議論があります。
これはまた、後日ご紹介します。
いずれにしても、ご紹介したNSDRは、誰でも手軽に始められる健康法として、忙しい現代社会において非常に有用なツールです。
過度な期待はせず、自分の身体と心の状態に注意を払いながら、適切に採り入れたらいいのではないかと思います。
興味がある方は、まず短時間から試してみて、自分に合うかどうか確かめてみることをお勧めします。
NSDR、ご存知でしたか。
参考情報:
Yoga Journal - Google CEOも実践
Business Insider - グーグルCEOが実践するリラックス法「NSDR」
スタンフォード大学 Huberman Lab

NSDR: Non-Sleep Deep Rest for Stress, Anxiety, and Sleep: 10–20 Minute Guided Practices to Reset Your Nervous System, Calm the Mind, and Restore Energy (English Edition) - Trueman, Gin
この記事へのコメント
とても、リラックスしそうなので試してみたいと思います。
ただ、脳は休めても体は休めてないので
よく昼寝してます
爆睡しています。
ないと眠りが浅くなります。
nice!です。
昨日は久方ぶりにお湿りがありました。
それも初雪という形で降ってうっすらと
雪化粧。
それも今朝は眩しい陽光ですっかり消えて
しまっています 😀
少し罪悪感の日々・・・昼寝ても夜も寝られる幼児のような脳細胞!!
「NSDR」は初めて知りました。
頭(脳)が疲れたときに、何も考えずに
畳の上に横になるとス~と頭が軽くなることがあります。
目が覚めてから、寝る時まで情報量が満載です。
何らかの形で脳を休める時間も必要だと思います。
横になって視聴。自民圧勝かあ~~~~!
がっくり・・。まあやってくれるならいいけど、今までが・・・・野党がバラバラでは勝てるわけがないですね。
10分程度でリラックスできるならやってみたいですが、日々寝不足な事が多いので横になったら眠ってしまいそうです^^;
忙しい人にこそ、必要かもしれませんね。
睡眠の質って大切ですね。勉強になりました。
自分は昔から昼寝を15分間くらいしています。
>猫またぎ2025さん
>2026年02月09日 17:09
>自分は昔から昼寝を15分間くらいしています。
それはよい習慣で、NSDRは不要ですね。
時間的にもちょうどいいと思います。
2時間とか寝ちゃうと夜の睡眠に響きますからね。