新田神社(大田区矢口)人格神・御神木・七福神・破魔矢のスポット
新田神社(大田区矢口)は、人格神と御神木と七福神が祀られ、さらに破魔矢の発祥といわれている区内でも随一の「パワースポットの坩堝」です。同神社はこれまでにも時々ご紹介していますが、今日はその4つのエピソードをまとめてご紹介します。
我が国の、神観念はかなり幅広く、神社はいくつかのタイプに分かれます。
1.自然神(しぜんしん)
山・川・海・風など、自然そのものを神として祀るものです。
2.祖霊神・氏神(それいしん・うじがみ)
祖先や一族の守護霊が神格化されたもの。
3.英霊・歴史的人物の神格化
実在の人物が死後に神として祀られるケースです。
4.抽象神・機能神
特定の役割や働きそのものが神として捉えられるもの。
5.憑依・霊的存在(精霊・妖異に近いもの)
はっきりした人格や形を持たない霊的存在。
6.依代(よりしろ)としての神(山岳信仰、御神木信仰など)
神そのものではなく、「宿る対象」が重要なケース。
八重萬の神(やおよろずのかみ)とはよくいったもので、人、物、自然、現象、すべてが「神様」になってしまうのです。
神社は、そのうちの1つ、もしくは複数の神様を祀っています。
とくに、今回ご紹介する新田神社は、人格神(2、3)、依代、さらに、七福神も祀られています。
新田義興の無念を祀った神社
新田義興は、新田義貞を筆頭に南北朝時代、上野国(群馬県)を基盤とした清和源氏の名門・新田一族の次男です。
足利尊氏の北朝方と激闘を繰り広げましたが、騙し討にあい、武蔵国の多摩川・矢口渡で無念にも56されました。
その後、付近で落雷や洪水などの災いが起き、「義興の祟りではないか」と恐れられるようになります。
人々は、霊を鎮めるために義興を神として祀り、社を建てました。
これが新田神社の起源です。
怨みを持って死んだ人の霊を、神として祀って鎮めることを御霊信仰(ごりょうしんこう)といいます。
学問の神様とされた菅原道真と同じタイプです。
菅原道真は、平安時代の貴族・学者でしたが、無実の罪で大宰府に左遷され、不遇のうちに亡くなりました。
その後、都で疫病や雷災が相次いだため、人々の「道真の怨霊による祟り」という恐れから、北野天満宮に神として祀られました。
今では、勝負運、厄除けなどのご利益がある神として信仰されています。
御神木(自然信仰)
境内には、樹齢700年を超えるというケヤキの木が、御神木としておなじみです。
御神木(ごしんぼく)は、神社や神域において「神様が宿る(依り代)」「神様が降り立つ」とされる神聖な木のことです。
樹齢数百~数千年の老木や巨木が多く、しめ縄や紙垂(しで)で囲まれ、地域の信仰対象やパワースポットとして大切にされています。
が、当該御神木の樹齢が事実なら、新田神社が建立された場所には、すでに木があったことになります。
もし、木が先なら → 義興の霊が宿る木になる
または神社が先でも → 神の依代として霊力がある木が生まれた
ということで、どちらでも最終的には、「この木には神がいる」という意味づけに収束します。
その結果、ご利益をいただくために御神木にお賽銭を入れ、触っていく参拝者がいるわけです。
こうした、万物に霊が宿るとする感覚を、アニミズムといいます。
「私は宗教なんて信じないよ」と、イバッている人が、自分の所持品を「この子」とか呼んでいるのを見ると、「いやいや、それはアニミズムという立派な宗教ですよぉ~」と、つっこみたくなる私です。
七福神の恵比寿を祀る
七福神は、全国各地でお目にかかれるのではないでしょうか。
江戸時代以降になると、七福神という神様が登場します。
七福神は、恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、布袋、福禄寿、寿老人の7つの神様の総称です。
室町時代に日本、インド、中国などの神仏が融合して誕生した信仰で、仏教・道教・ヒンドゥー教などの神様の混成部隊で、庶民の「福を呼ぶ」信仰としてうまれました。
仏教に神様というのも変な話ですね。
もちろん、教えそのものに直接は関係しないのですが、説話やお経のなかに、脇役で「神様」が登場することがあります。
それは、仏教の競合相手、というより仏教以外の宗教はすべて神様を持つため、民衆向けに、神様をワキ役で登場させて、宗教としての体裁を整える筋書きにしたのではないかと思われます。
それはともかくとして、新田神社は、七福神のうちの恵比寿を祀っています。
七福神は、各地域で、7つの神社とお寺に祀られています。
つまり、七福神を全部お参りするには、7つの神社&寺院を回らなければならないので、地域振興に利用されることが多いです。
破魔矢発祥の地
さらに、新田神社は破魔矢発祥の神社でもあります。
破魔矢(はまや)は、災いや邪気を払い、幸福や好機を射止めるという意味が込められた、神社・寺院で授与される正月定番の縁起物です。
江戸時代に蘭学者・平賀源内が、境内の御塚に生える「旗竹」を使って厄除けの「矢守(やもり)」を考案したことがはじまりだそうです。
そして、ご祭神・新田義興の無念を鎮めるため作られたこの矢が、後の破魔矢のルーツとなりました。
ということで、新田神社は、区内でも随一のパワースポットです。
みなさんの地元には、人格神や御神木や七福神が祀られている神社はありますか。

東京「ご利益」散歩 (中経の文庫) - 東京ご利益スポット研究会
この記事へのコメント
人も木も道具も、すべてに霊性を見いだす日本の感性は、仏教の縁起観とも響き合います。重層する信仰の物語に心が静かに澄んでいく思いがしました。
もともとはお寺の境内だったそうで、お寺は移転してクスノキだけが残ったようです。伐採しようとした人が命を落としたという都市伝説が残っています。
何処にあるとか全く知らないかったです
今度お江戸へ行く機会が有れば
立ち寄ってみたいかな??
以前良く行っていた神社で、飛木稲荷神社と言う神社に大銀杏がご神木なんですが、大昔、暴風雨の際にイチョウの枝が飛んできてこの地に刺さった事が神社の名前の由来になったそうです。
戦災により黒焦げとなったけど、再び繁茂して悠久の生命を伝えているとされています。
下から見ると、木の枝が狐の姿に見えるって事で撮影されてる方も多かったです。
nice!です。
神道はあらゆるものが神様になるからいいですね~。
家康さんもしっかり神様になって、球界ではかの
川上さんも打撃の神様になっています😀
暑気払いに鰻とか、多岐にわたって力を発揮してる発想力に感動しました。
これからは神社、仏閣を見る目が少し変わりそうです。
いつも有難うございます。
うちの街にも神社があります。
読ませていただき色々な事が解りました。
やっぱり”自然神”って在るんですね。
安心しました。
義父に聞きましたが昔は信者とお寺が一緒だったと。
厳しくンらと”神も仏も無い”って云いますね。
勉強になりました。
近くのパワースポットは分かりませんが、神社に参拝して
色々報告するのが好きです。
人格神、御神木、七福神が祀られているのは見たことがないです。
神社の裏手には鬱蒼と木々が茂っているので
そこに御神木があるのかもしれませんがf^_^;
八百万の神に手を合わせて心穏やかに暮らしているかも