高齢者の医療費負担増を高齢者の「4割が容認」の虚実
健康保険組合連合会(健保連)が、2026年1月に全国の20~80代の男女3,000人を対象に実施した調査で、今後の医療費や介護費の負担のあり方について、「高齢者の負担増はやむを得ない」と答えた人が全体で37.1%に上りました。
さらに年代別に見ると、当事者である70代で38.8%、80代では41.9%と、高齢層自身がより高い割合で負担増を容認していることが分かりました。
つまり、「自分たちの負担はもっと高くていいよ」と自ら思っているわけです。
えーっ、そうなの、と「物わかりの良さ」にちょっとびっくりです。本当なんでしょうか。
なぜ「自分たちの負担」を容認するのか
医療保険の在り方、議論を 高齢者4割が負担増容認―健保連・米川孝副会長https://t.co/tIlK3NwRQF…
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) July 4, 2026
健保連の米川孝副会長はこの結果について、現役世代が過度に高齢者への負担を求めていない一方、高齢者側が自身の負担が低すぎるのではという意識があり、双方が現状を冷静に受け止めていると分析しています。
背景には、少子高齢化が進む中で医療費の支え手である現役世代の負担が、すでに限界に近づいているという共通認識があるとみられます。
健保連の発表によると、2026年度の健康保険組合の保険料率は平均9.32%で高水準が続いており、「解散水準」とされる9.9%以上の料率を見込む組合は376と全体の27.6%を占め、健康保険組合の財政は厳しさを増しています。
窓口負担の現状と議論の中身
現在の公的医療保険の窓口負担は、70歳未満で3割、70~74歳で2割、75歳以上で1割が原則で、70歳以上でも所得が多い人は2、3割になるとされています。
健保連は、自己負担割合の年齢区分を段階的に引き上げるとともに、将来的には所得に応じた軽減措置を設けたうえで、全世代を原則3割の負担とすることを目指すべきだとしています。
米川氏は、「75歳で働く人も、60代で働けない人もいる」とも指摘しており、年齢だけで自己負担割合を決める現行の仕組みは不合理だとも述べています。
年齢基準から所得基準への転換が今後の焦点になりそうです。
見過ごされがちな「知らない」という壁
給料から引かれる健康保険料、「何のため?」と思ったことありませんか???
— 健康保険組合連合会 (@kenpoyabai2021) July 9, 2026
健康保険は、みんなで支え合う“安心の貯金箱”??
保険料を出し合い、病気やケガのときに助け合う仕組みです。
実は健康保険は、医療費の自己負担を軽減するだけでなく、休業中や出産時のサポートも行っています?… pic.twitter.com/l3iaOO3H0z
一方で今回の調査では、制度への理解不足も浮き彫りになりました。
子どもの医療費に対して、すべての都道府県・市区町村で現在、独自の助成が行われています。
最長で22歳まで医療費の負担がない制度です。
しかし、これは窓口負担がないだけであって、医療費自体は保険加入者の保険料などで賄われているという仕組みを、子育て世帯の54.4%が「知らない」と回答しています。
いったい、どこからお金が出ていると思っているのでしょうか。
財政的な観点から見た場合、「高校生までの医療費」の方が「高齢者の医療費」よりも実質的な負担増加は高いのに、です。
……と書くと、今度は「子どもを安易に病院に連れて行くな」などという「わかっちゃいない」意見が出るのですが、軽い体調不良に見えても、それが危険かどうかは受診しないと分からないし、急に悪化することもあります。将来ある子どもは大事にしなければなりません。
何を言いたいかというと、医療費の「出口」にプレッシャーをかける話ではないということです。
ですから、高齢者が冒頭の回答のように、自ら物わかりが良くなってしまうのもどうなんだろうと思います。
日本の医療費は決して高すぎない
「知らない」という意味では、そもそも日本の医療費そのものが国際的に見て高いのか、というところから正しく認識されていないように思います。
日本の医療費(保健医療支出)は、GDP比で約10.6~11.5%とOECD平均(約9.3%)を上回るものの、米国(17%超)やドイツ・スイスなどより低く、G7では中上位水準です。
一人当たり支出もOECD平均並みかやや低めで、国際的に「高すぎる」とは言えません。
「医療費がパンク」とか聞くと、医療費そのものがかかりすぎている印象がありますが、そんなことはないのです。
日本は高齢化が進む中で、高齢者が医療費の6割超を占め、支出が増加傾向にありますが、皆保険制度で効率的運用され、平均寿命世界トップクラスや良好な健康成果を実現しています。
皆保険制度自体は堅持しなければなりません。
問題は、制度そのものより持続可能性です。
米川氏のコメントにあるように、「年寄りは病院を多く使うから多く取れ」と年齢で決めるのではなく、まずは所得に応じた負担にすることが、より合理的であると思います。
そして、健康増進法という法律もあるのですから、もっと予防を重視すべきです。
運動指導の事業に、積極的に予算をつけてもいいのではないかと私は思います。
それは、引退した運動選手に対する、雇用の創出にもなると思いますから。
たとえば、国スポ(国体)で優勝しても、名誉だけではちょっと寂しいですよね。
体育教員の枠だって、少子化で限りがあります。
とくに「高齢」にあたる方は、いかが思われますか。
健康保険料負担、高齢というだけで、もっと上がっても仕方ないとお考えですか。
出典:
- 時事通信「医療保険の在り方、議論を=高齢者4割が負担増容認―健保連・米川孝副会長」(2026年7月5日)
- 健康保険組合連合会「医療・介護に関する国民意識調査」速報版(2026年6月3日公表)
- 日本経済新聞「健康保険料率高止まり、組合3割『解散水準』 高齢者医療の負担重く」(2026年4月28日)
- nippon.com「高齢者の医療費負担増、当事者世代も覚悟?―健保連調査」

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この記事へのコメント
4割も負担金を増やしても良いと容認してるなんて思いませんでした。
民間保険では、禁煙割引とかありますよね。
いきなり高齢になったわけではなく、元気な働き盛りの時があって、何十年も医療費以上の保険料納めてきたんです。
今働き盛りの人も、いずれそうなるんだから、自分の世代だけが負担を背負ってると思うのは間違ってますね。
おぼえます。よくあります。地元の自治体でも、意見誘導のような調査。
でも、健康保険組合の保険収入が枯渇しているとしたら上がって行くのも止むを得ないのかな~とも思ったりします。
それらを加味したうえで徴収すべきでは思います、収入が乏しい高齢者から一律負担額を増額するのはどうなのだろう…
ただ喫煙をはじめとした自ら健康を害する行為に起因する治療については増額しても良いように思いますが線引きが難しいですね。
nice!です☆
わざと歪んで解釈するアンケート元もあるし。
高いのは当たり前だ」と言われ、いまになったら、「お前の医療費
は高いのだから、もっ払え」じゃ、ほとんど、踏んだり蹴ったり
ですよ。私の先達なんか、「『全納も出来る』と言われ、払ったら、
その後、法律改悪して、追加で、どんどん税払わされた」と、シぬ
まで、当時の「厚生省」を恨んでましたね。
高齢者3割負担と出てきたときに
そのことについて書きたかったのですが
若い世代の負担を思うと言い出せないです。
でも3割負担はとても厳しい・・・そうなったら
通院をやめる人も出てくるのではと危惧します。
私もそう思っています。
年齢ではなく収入に応じて・・・これが公平な
やり方になるのではと強く思います。
それと予防、リハビリなどに力を入れることが
かなり医療費を抑える結果になると考えますね。
そうでないと若い人達の負担が増えます。
特にこれからは 氷河期世代が、老齢化してくるので
人数は、大幅に増えます。
それを少ない若い人達で負担しろというのは酷です。
これでは いくら働いても保険料で取られ勤労意欲が下がります。
高齢になると慢性疾患で継続して通院することも多くなりますから、年金暮らしでの負担増はキツイと思います。
おっしゃるように年齢だけではなく、高齢でも収入が多くあれば多く負担してもらうのが良さそうな気がします。
2週間前、微熱と腹痛で薬屋で正露丸1000円で買いましたが
治らず、医者さんに。
診察とお薬代で1,078円でした 😊
感じがしますね。3割から2割、そして1割になった時、こんなんで良いの?
と思う時がありましたが、考えてみるとそれだけ払ってもいたので良しとも思いました。計画が立たない? 計画性がない? 途中から変える事が多いと賛否分かれますね。またですか? と思ってしまう!!
若いころは元気で保険料を払ってきましたが、
高齢者になって払う方になると
なかなか大変ですよね。
いきなり高齢者になるわけじないです。
行かなくて良いような人が病院に行かなくなるから、そこんところは良いのかな~
上がりましたが当然だと思っています。ただ健康体で医療費のかからない
暮らしだからそう言えるのでしょうね。