オーバーツーリズム、観光公害という言葉が定着した本当の話

オーバーツーリズム、観光公害という言葉が定着した本当の話

オーバーツーリズム(観光公害)という言葉が、話題、というより問題になっています。日本旅行業協会(JATA)によると、2025年の訪日客は初めて4,000万人を突破し、早ければ2028年にも6,000万人に達する見通しとされています。

円安や国際線の回復を背景に、インバウンド需要は想定以上のスピードで拡大しており、政府は2030年に向けて訪日外国人6,000万人、消費額15兆円という目標を掲げています。

この急拡大の裏側で急速に存在感を増しているのが、「オーバーツーリズム(観光公害)」という言葉なのです。

なぜ「一語」で語られるようになったのか



このOGPにある、「1.5万円のラーメン」てすごいですよね。スッポンのエキス入りなんでしょうか。

オーバーツーリズムとは、観光客の集中によって地域住民の生活や自然環境、観光地そのものの魅力が損なわれる状態を指す言葉で、交通渋滞や騒音、ごみ問題、地価や家賃の上昇など、その影響は多岐にわたります。

かつては、「観光客が増えて賑わっている」というポジティブな受け止め方が中心でしたが、渋滞や混雑、マナー違反による住民生活への影響が可視化されるにつれて、単一の言葉で問題を名指しする必要が生まれました。

新語・流行語大賞でも過去にノミネートされるなど、この数年で急速に一般語として定着した経緯があります。

ほかにも、オーバーツーリズムによる日本人への不都合は、「日常生活の圧迫」「経済的負担」「マナー・環境悪化」の3つに集約されます。

具体的には、バス等の混雑で乗れない、観光地価格で国内旅行がしづらい、住民のプライバシーや景観が損なわれるといった被害が発生しています。

「量の拡大」から「受け入れ方」への転換



2026年度の観光庁関連予算は、前年度比で約2.4倍の1,383億4,500万円となり、オーバーツーリズム対策には前年度の8.34倍となる約100億円が計上されています。

これまでの観光政策が、「いかに訪日客を増やすか」に重点を置いていたのに対し、今は「どこで、どのように受け入れるか」という視点への転換が進んでいます。

具体的な自治体の対策も多様化しています。

京都市は、2024年6月から観光客専用の観光特急バスを運行し、2026年4月からは宿泊税を最大1,000円から3,000円に引き上げています。

一方で、こうした対策には見落とされがちな側面もあります。

宿泊税や入域料の引き上げは、観光地の運営財源を確保する一方、前述のように日本人客も含めた旅行者の負担増という形で跳ね返ります。

実際に、対策の先行エリアである京都府では宿泊価格(ADR)がこの2年間で約23%上昇しており、対策が進んだ地域ほど「行きにくさ」という新たな課題を生んでいる側面も指摘されています。

そこで、姫路城では、2026年から地域住民とそれ以外とで入場料を分ける二重価格制度が導入され、姫路市外の人の入場料は1,000円から2,500円に引き上げられる一方、市民は同じ料金が維持されます。

財源確保と旅行者の負担、住民生活の質という三者のバランスをどう取るかは、今後も試行錯誤が続く論点だといえます。

数の目標から質の管理へ



オーバーツーリズムという言葉が短期間で定着した背景には、「観光客を増やす」ことが必ずしも地域の幸福に直結しないという実感が、多くの住民や自治体の間で共有されてきたことがあります。

訪日客6,000万人という次の目標に向かう中で、今後は「量」だけでなく「受け入れの質」をどう管理するかが、日本の観光政策の中心的な課題であり続けるでしょう。

みなさんは、今年の夏は、どこか遠方に旅行される計画はありますか。

出典:
観光庁「令和8年度観光庁関連予算」(トラベルボイス、2025年12月30日)
観光庁「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた取組」(最終更新2026年4月24日)
日本経済新聞「オーバーツーリズム対策、東京都が宿泊税見直し議論」(2026年1月2日)
8and.「オーバーツーリズム対策2026」(2026年5月21日)
HotelBank「観光庁オーバーツーリズム対策5/29締切100億円」(2026年5月20日)

オーバーツーリズム 増補改訂版: 観光に消費されないまちのつくり方 - 高坂 晶子
オーバーツーリズム 増補改訂版: 観光に消費されないまちのつくり方 - 高坂 晶子

この記事へのコメント

2026年07月15日 22:41
100円ショップの閉店のアナウンス、日本語のあとに中国語が流れたのにはビックリしました。
そのうち電車のアナウンスも英語じゃなくて中国語に置き換わってしまうかも。
2026年07月16日 00:22
いくらインバウンドで潤っても、国内の人が旅行を避けるようになったらお金は動かないので景気は良くならないですね。
2026年07月16日 00:41
幸い、何処にも行く予定はありませんが、友人が京都に旅行する際宿探しが大変って言ってました。
外国人旅行者がいっぱいで、なかなか宿の予約も取れないようです。
マナーの悪さが目立つような旅行者は、来てほしくないですね。
2026年07月16日 01:23
夏休み、近場の温泉にでも…
2026年07月16日 03:36
観光業や現地の方にしたら嬉しいでしょうが、マナー等考えることもありそうですね。
2026年07月16日 05:12
おはようございます!
nice!です☆
2026年07月16日 05:41
毎年畑が終わったタイミングで行くのですが、必ず冬しか行けないのが残念です。旅行してても日本語より、中国語、韓国語が多くて日本に居る感じしません。マナーも悪いです。もっと静かに旅行したいというのが本音です。
pn
2026年07月16日 06:22
出国税ってもしかして日本人も出る時払うの?んな訳ないか(^◇^;)
2026年07月16日 06:52
出掛ける予定は、いまのところありません。日本人と外国人とで、
行くところが皆、同じようなところに集中しているのが原因かと。
2026年07月16日 07:09
ほどほどがいいですね、何事も。
早朝からセミの声。暑さご用心。
2026年07月16日 07:31
夏休みは混んで旅行代金も高いので家でゆっくりする予定です。
2026年07月16日 07:43
マナーと言ってもお国で大分違いますからどうしたものでしょうね。旅行者に日本流のマナーを伝える方法を考えないと、パンフレット位ではだめなんでしょうね。旅行会社に頼むとか?
2026年07月16日 08:45
数よりも客単価を上げたほうがいいのでは
2026年07月16日 09:48
観光地の宿泊料金がかなり高くなりましたよね。
国内旅行も遠くなります。
一度上がるとなかなか下がらないので・・・
近くでゆっくり過ごす旅行を考えています。
2026年07月16日 10:18
都内は何処も外国人観光客が多いですね。
旅行は行く気ないです。
2026年07月16日 10:42
円安も追い風になっているのでしょうが、受け入れ体制が整わないうちに外国人観光客が一気に増えました。
京都へはお墓参りに行きますが、昔ながらのお店もすっかり外国人仕様になってしまい、どこへも寄らずに帰るようになりました。

2026年07月16日 11:31
静かに名所旧跡を愛でる旅が減っていく・・・
京都も所によっては喧騒の街に"(-""-)"
2026年07月16日 12:46
こんにちは😊
鎌倉から江ノ電沿線の鎌倉高校前辺りを走っていると
外国人がほとんどです。
2026年07月16日 14:37
お金がもうかるから、「来て来て」と歓迎するつもりが、
公害扱いの矛盾、何事も過ぎたるは駄目ね。。。
bgatapapa
2026年07月16日 14:43
京都も多いどすえ~(^^)
2026年07月16日 16:03
何年前はホテルも安かったは、通用しない時代で参りますね。
マナーだけは守って欲しい物ですね。
うちは宿になる方、何処にも行けないです😢
2026年07月16日 17:47
いつも大変お世話になっています。
オーバーツーリズムですか。
マナーの問題が大きいですね。
夫々国によって違いが在りますから簡単ではありませんね。
日本ではと云ってマナーを解った貰う事が必要だと思いますが・・・
問題は自国のマナーの低さでしょうか。
平均的になっていない状況ではないでしょうか。
それなのにマナーを云っても理解されるでしょうか?
私は悲観的です。
2026年07月16日 19:19
ほんとほんと!
地域住民から見たら、ほんと迷惑です!
特に普通の会話がケンカに聞こえる国の団体には迷惑しています。
2026年07月17日 04:36
オーバーツーリズムは各地で問題となっていますね、京都や富士山等では特に深刻のようですが、唯一の救いは赤い国の方々が少ない事ですね。
それでも京浜急行車内で外国人が場所を譲り合わない等、問題はあちこちに存在していますね。

梅雨入り前に東北ツーリングへ出掛けたのと、夏は繁忙期と重なるので旅行の予定は今のところ無いです。