Google規約改定、「個人情報が学習される」の虚実
Googleが7月30日付けで利用規約変更を発表しています。例によって「個人情報が盗られる」と煽るショート動画がInstagramやyoutubeで流れてきます。さっそく、「あー、スマホを触るのも怖くなってきた」という反応もありますが、今更何をいう、です。
今回の更新は、主にAI技術の普及に合わせた禁止事項の追加が目的であり、普通にサービスを利用するユーザーが、急に料金を請求されたり、データが消去されたりすることはありません。
問題になっているのは、「検索サービス」を利用した際の履歴として保存されるメディア(画像、音声、アップロードしたファイルなど)に関するデータが、AIの学習に使われるという点です。
対象となるデータとサービス
Googleレンズ:検索や認識のために撮影・アップロードした画像
音声検索:検索時に録音された音声データ
Search Live:AIとの音声会話や映像を使った検索の記録
Google翻訳:発音練習などで録音した音声
Googleドライブ、Googleフォト、Gmailなどの保存データについては、今回の「改定」の対象には含まれていません。
また、後述するように、学習されないようにする設定もありますから、気になる方はそれを設定すれば済む話です。
いまだに誤解があるようですが、AIが学習したいのは、「その人のプライベートな情報」ではなく、「人間がどういう写真を撮るか」「どういう文章の文脈が存在するか」といった統計的な傾向やパターンなのです。
「Googleは個人を識別できる情報(氏名、メールアドレス、電話番号、具体的な位置情報など)を取り除いた上で学習データに組み込みます(k-匿名性などの技術を使用)」と、Googleは以前から表明しています。
そのため、生成AIが回答を出力する際に、「これは〇〇さんの非公開写真です」なんていう形で、特定の個人が再現・特定されることはありません。「音声」をAIの学習に使われると言っても、「これは〇〇さんの声ですよ」と暴露されたりするわけでもありません。
AIが作成する「個人の顔」は、既存の人物をそのまま流用しているわけではなく(そんなことをしたら肖像権侵害です)、様々な人の顔の特徴を統計的に処理して、あたかも実在するような人物を創造するのです。これもGoogleは最初から表明しています。
もちろん、既存の人物のデータを入れて、「この人で動画や静止画をつくってください」といえば作りますが、AI側から、実在する特定の人物を司令もないのに使うことはないわけです。
キケンを煽る動画がウケる理由
にもかかわらず、どうして冒頭で書いたような、大仰に「AIの危機を煽る動画」が出てきては、それが多くの再生数を稼ぐのか。
それは、大きく2つの理由があると私個人は考えています。
AIを避ける口実になる
AIという新しいテクノロジーに逃げ腰の人は、自分がAIと向き合わないことを正当化できる理由を得たと思い、「AIは危険」を煽る動画が嬉しくて仕方ないかなあなどと勘ぐってしまいます。
「プライベートな領域」という心理的抵抗
ブログなどは「見られてもいい情報」として本人が公開していますが、検索履歴やGoogleドライブ・フォトのデータは「自分だけの非公開領域」という認識があります。
そこがデフォルトで学習対象になることへの感情的な反発(気持ち悪さ)があるのでしょう。
ただ、そこは少し違うのではないかと私は思います。
ブログのほうが、よほどキケンなんですけどね
ネット上に公開しているブログやSNSのデータは、Googleに限らず世界中のAI開発会社や、サードパーティのクローラーに日常的に読み込まれています。
Seesaaブログで、みなさんの書かれている身の上、体験、旅行記、暮らしぶりがわかる画像などは、全部世界中に筒抜けなんですよ。
それも、AIのような「統計的学習」なんかではなく、みなさんの個人データそのものとしてね。
もとより、AIはそうした検索エンジンのデータを学習して現在に至っています。
つまり、ブログユーザーは、とっくにAIに情報を提供しているのです。
私が、AIについてこのブログで記事を書くと、必ず「AIは個人情報を盗まれる」とコメントし、水をさしている人がおられました。
が、その人は毎回、全身顔出し画像や、何日は何処へ行って何を食べたかとか、病状(通院や症状)の記録などをブログで事細かに公開しているのです。
そんな人に「個人情報が~」などとサゼッションされてもさ、おまゆう、ではないでしょうか。
個人情報のAI学習を防ぐプライバシー設定
youtube動画や、その分野の専門ブログには既出ですが、プライバシー設定も一応ご紹介します。
パソコンとスマホのどちらからでも設定可能で、基本的な操作方法は同じです。新しいプライバシー設定がアカウントに反映されているか(反映済み)、まだ反映されていないか(未反映)によって画面が異なるため、それぞれの手順をご説明します。
共通の手順
1.GmailやGoogleのブラウザなどを開き、右上にあるご自身のアカウントのロゴをタップ(またはクリック)します。
2.「Googleアカウントの管理」を選択します。
3.「データとプライバシー」を開きます。
※ここで表示される画面によって、未反映か反映済みかを見分けることができます。
未反映のアカウントの場合
1.「検索をカスタマイズ」を選択します。
2.「検索履歴」をタップします。
3.「履歴を保存しています」に進みます。
4.「画像検索履歴を含める」のチェックをオフにします。
これにより個人情報などのメディアが保存されなくなり、今後機能が反映された際にもオフの状態から開始されます。
反映済みのアカウントの場合
1.「マイアクティビティ」を選択します。
2.ポップアップが出た場合は「理解した」などをタップして閉じ、「検索サービスの履歴」に進みます。
3.「メディアを保存」のチェックを外します。
4.注意書きの画面が表示されるので、一番下までスクロールして「オフ」を押します。
この設定により、画像や音声録音などのメディアが保存されなくなり、生成AIモデルのトレーニングにも利用されなくなります。
会社の極秘企画書とか、自己責任で解決できない「機密データ」は、どこであろうが、不特定多数がアクセスできるネットにアップすべきではありません。
ただ、私はそれ以外は、私のデータで学習してもらっても構わないと思っています。そのかわり、私もAIはどんどん使っています。
みんながデータを持ち寄り、共有化してさらに賢くなったものがみんなに還元される。それが健全な姿であり、自分のデータは何一つ出したくない、AIは危ないとデマゴギーをふりまく、でも自分にはAIをタダで利用させろって方がおかしいと私は思います。
もう、プライバシー設定はされましたか。

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この記事へのコメント
それでも、最低限の自己防衛は必要かと。
なので、大変参考になりました
m(__)m
それだけに書く時はしっかりチェックし、他の人に迷惑かけないように心掛けています。お互いにギブ&テークでなくては成立しませんよ。自分よがりで自分だけ特別は良くないですよね。
しかし実際には、本人が自らネットに放流している情報のほうが、はるかに“生々しい個人情報”なのですよね。
「おまゆう」というくだりには、思わず苦笑してしまいました。
人は、自分の“開示しているもの”には案外無自覚で、
“開示されるかもしれないもの”にだけ過敏になる。
これはまさに心の錯覚であり、煩悩の働きそのものだと感じます。
AIを怖がる心は、未知への不安から生まれます。
しかし、この記事のように事実を知り、仕組みを理解し、必要な設定を行えば、
その不安はずいぶん軽くなるはずです。
そして何より、
「怖いから避ける」のではなく、「知って扱う」
その姿勢こそ、現代の智慧だと感じました。
これまで膨大なネットユーザーや企業が発信した情報を精査して
教えてもらえるので、自分で調べるよりも早いです。
私のコメントだってAIの何かの足しになっているかもしれないですよね。
嫌ならネットは利用するな!ですね。
まぁ、スマホはほとんど通話か、使ってもGoogleレンズくらいなので…
パソコンの方は、既にプライバシー設定が反映されてました。
AIとかデジタル世界からどうやって身を守ればよいのだろう。
nice!です☆
googleのしている事は、末端デバイスの種類に依存し
無いシステムでしょうから、同じだろうと、私は見ています。
昨日は大磯の東の池公園まで蓮見に出かけましたが、帰り道
テレビニュースで見るような豪雨に遭遇しました。
大変勉強になりました。
僕はPCを開いた瞬間に、
ぼくのPC を覗いている人がいる、と思っています。
通話を受けても、まともには応対せず切りますが
アドレスが盗まれているんですね
共有化してさらに賢くなったものがみんなに還元される
「持ちつ持たれつ」ですね
擬人かされたトラッカーたちのCM動画が、たしかに!と、笑えませんでした。
とはいえ、今さら検索するな、とかGeminiつかうな、デジタルマネーつかうな、とかは無理なので、ある程度のデータは使っていただいて、より便利で正確な検索結果になってくれればいいと思います
筒抜けなんですね。
自分の事を書いてしまうことが多いです。
どうすればいいのか・・・
実家の整理のため買取業者をネットでいろいろ検索していたら、PCの広告はあっという間にそれ関係ばかりになりました。
おっしゃるようにある程度は抜かれる覚悟で自衛するしかなさそうです。
好きな言葉です。何事にも通じます。。
Googleは昔からお世話になってますが、何でもGoogle感があり少し嫌ですね。
今は箸の上げ下げまでも筒抜けに~~ 何も知らずに日常をup
身を守るには時すでに・・・遅し~"(-""-)"