ボボ・ブラジル、昭和のプロレスを思い出す強豪レスラー

ボボ・ブラジルといえば昭和プロレスの名レスラー。その偉人伝記事を、『日本プロレス事件史 vol.6 強豪外国人、来襲!』(ベースボールマガジン社)という、いつものプロレスムックで読みました。Facebookでは、プロレスグループ以外でも、ボボ・ブラジルについて投稿されますが、からかいの対象なので、今日はまじめにご紹介したいと思います。(上の画像はGoogle検索画面より)

これは、Facebookの昭和を懐かしむグループで投稿されたものです。

実は、マニアにとってはこの画像自体、大変興味深い。
ボボ・ブラジルが、ジン・キニスキーと戦っている。
日本では、この2人はタッグを組んでいたのです。
それはともかくとして、プロレス以外のFacebookグループでボボ・ブラジルが取り沙汰されるときに話題になるのは、必ず「九州では恥ずかしい名前」なんですね。
もう、そのくだらないイジリはいい加減やめろよ、と思います。
ボボ・ブラジルがそれを意識して命名したわけではないし、日本語ではないのだから、だからどうなんだ、と思います。
ボボ・ブラジルは、そもそもそんなくだらないイジリしか、価値のないレスラーではありません。
人種差別が例外なく存在するアメリカで、黒人で最初の世界チャンピオンになった、というのはプロレスファンならみな知っていることです。
ではなぜそこまでのぼりつめたかといいますと、頭突きの威力とともに、真面目な仕事ぶりがプロモーターに評価されたからです。
日本のリングで、タイトルマッチを何度か行ったジャイアント馬場は、ボボ・ブラジルについてこう語っています。
「人間的には、これほど真面目で誠実な男もちょっといなかった。実力的にも文句なく黒人レスラーの最高峰だったが、この人間性が各地のプロモーターに高く評価されて、マット界における黒人レスラーの地位を築きあげた。黒人レスラーが今日、大手を振って歩けるようになったのは、全てブラジルのお蔭だ。黒人レスラーは全員、ブラジルに感謝しなければならない」(『デラックス・プロレス』1984年11月号)
【ジャイアント馬場とボボ・ブラジルの熱い戦いはこちらを参考にしました】
⇒第11回ワールドリーグ戦前夜祭
⇒ジャイアント馬場、ボボ・ブラジルからインター奪還
得意の頭突きについては、すさまじい特訓を行ったそうです。
当時の新聞記者、呉政男氏は、月刊『プロレス』(1972年9月号)で、本人から聞いた話をこう打ち明けています。
「『まず、空き家の解体に出かけて、折り畳み椅子の背中を頭で壊すことから練習を始めた。椅子の次は柱、次は壁だった。金がかかったが、これが一番、頭を固くした。そのあとは知人にバットで何度も頭を叩かせた。硬くするには有益な方法だった』。この説明は真顔だった。本当だろう。『女房は一つ、年上で28歳だ。高校時代に熱烈な恋愛の末一緒になり、6人の子供がいる。自分は小さい頃から苦労の連続だったので、家庭だけはしっかり守りたい』。石頭に触らせてもらったが確かに石の地蔵さんのようにカチカチで、額の皮膚にはツメも立たない。」
バットで叩く特訓は、やはり頭突きを得意とした大木金太郎も行ったそうです。
もっとも、大木金太郎の場合は、力道山に無理矢理叩かれたらしいですが(笑)
ちなみに、水平チョップのジャイアント馬場も、下駄で右手を骨が潰れるほど叩いて手を硬くしたそうです。
その道を極めるには、みんな大変な努力をしているのですね。
この画像も、Facebookからですが、ジャイアント馬場がフレッド・ブラッシーに水平チョップを食らわせています。

Facebookでは、やはりイジリで、コメントではこんなやりとりがついています。
これは馬場の水平チョップですか
(^-^)なんでやねん、とツッコんでいるところかもしれません。
吸血鬼ブラッシー。いたそ。(>_<)
でかいですよね馬場手。こんな手でツッコミ入れられたら…。
ですよねー。(*^^*)でも、相手は、ブラッシーですから、いつ噛まれるかわからないので、必死なんでしょうね。(^-^)/
かつて、ザ・デストロイヤーは、力道山にこれをやられて前歯を失いました。
ラッシャー木村は、バッドニュース・アレンにこれをやられて、喉を潰しました。
喉元の攻撃はまかり間違うと、取り返しのつかない技です。
ジャイアント馬場のセンスと、フレッド・ブラッシーの、ジャイアント馬場に対する深い信頼から、このシーンは成立しているのです。
プロレスというと、パフォーマンスを茶化すように真似したり、技をふざけ半分でかけたりした経験は男なら誰でもあると思います。
最近では、「ブック(筋書き)があるんだろう」などと、「冷静に」小馬鹿にする見方もあります。
が、彼らの身体能力や、常人にはとても真似出来ない特訓とそれを行う強い意志、そしてそれらを持ち合わせたレスラー同士の信頼関係などが、プロレスの試合を成立させていることはしっておいていただきたいなあと思います。
ネットでは、ニコニコ動画で、画面にコメントを入れる機能があるのですが、昭和プロレスのどこがすごいのか、おもしろいのか、理解を助けてくれるコメントがよく出てきます。
お時間があるときにでも、ちょっと動画をご覧になっていただくと、その一端を垣間見ることが出来るかもしれません。
続きはこちらをご覧ください
⇒ボボ・ブラジルへのコメントと大木金太郎との頭突き合戦の真相

日本プロレス事件史 ハンディ版〈Vol.6〉強豪外国人、襲来! (週刊プロレスSPECIAL)
- 作者:
- 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
- 発売日: 2016/05
- メディア: 単行本
この記事へのコメント
本当に「なんでやねん」とツッコむと、いくら鍛えていてもあわや大惨事になりそうですね…(汗)
> もう、そのくだらないイジリはいい加減やめろよ、 と思います。
ホント、その通りです。こういうマンネリの思考停止的反応にはどんな分野でもうんざりします。
それと、そうです、そうです。わたしが子どもの頃から周囲にいくらでもいた、プロレスについて何も知らないくせに、知ったような舐めた口をきく手合い。いまだに、(いつか見ていろよ・・・)と執念深く(笑)記憶しております。 RUKO
プロレスファンでなくても知っているでしょうね。
彼らのプロ意識を感じます。
昔のプロレスを思い出しました。
このレスラーの頭突きはすごかったなあ!
外人レスラーの役どころは悪役、そんな中
ブラジルさんはフェアプレーな人でした。
まあプロレスファンではなかったので当然ですが。
幼少期にはプロレスとは真剣勝負と思っていましたので
確かに当時八百長という意識はありました。
まあプロのレスリングなのでネーミングだけで考えると
それは仕方ないのかもと自己弁護しておきます(^^;
が、何事にもそうですが茶化す必要は感じません。
ただ後になって、なるほどレスリングの
パフォーマンスなんだなと解り見る目は変わりました。
ブラジルの頭突き、すごい威力でしたね。
もう日の出、日の入りが早くなってきたね。
一日の早いこと4時頃にはうす暗くなります。
全然見ません。
色々なレスラーがいるんですね
馬場選手の32文ドロップキック(人間ロケットなどとは当時言わなかったはず)の連発。。。連発しなければフォール出来ない。。。それほどのレスラーでしたね!
ワタシもこの人大好きでした。
リングコスチュームがまたカッコいい!
当時は「外人は敵」としか
みていなかったような気がします(笑)
折角、上った東京タワーでしたが
青空が見えないとイマイチ・イマニの思いでした(笑)
世代ではないのですが、
“黒い魔人”のボボ・ブラジルさんではないですか!
確か馬場さんと一緒で、プロ野球選手出身で、
初来日したときは力道山と対戦したんですよね。
「どんな試合なんだろう」とか興味はありますね。
でも、結局金太郎はブラジルには勝てなかったけどね ^^;
コメント返しについては、こちらの新記事でさせていただきました。
http://sengoshi.blog.so-net.ne.jp/2012-07-08-1