水もれ甲介「鉄ちゃんの人間のデカさに圧倒されて」と原田大二郎

『水もれ甲介』(1974年10月13日~1975年3月30日、ユニオン映画/日本テレビ)というドラマが、9月3日からCSのチャンネルNecoで放送開始です。石立鉄男主演ドラマシリーズを放送する枠で、今回の放送が初めてではないのですが、まだご覧になっていない方にはぜひお勧めしたいドラマです。

Web掲示板や個人ブログなどで、名作の誉れ高い、石立鉄男主演の青春人情ホームコメディーシリーズ。
ドラマ全盛時代の1971年~1978年まで、水曜、もしくは日曜8時に8作放送された、松木ひろし脚本、石立鉄男主演のドラマをさします。
私も何度か、このブログで触れてきました。
⇒石立鉄男伝説、インカムゲイン型ユニオン映画ドラマシリーズから考える
そのほとんどがユニオン映画という、日本テレビ系の制作会社によって手がけられ、現在は映画チャンネルNECOで繰り返し放送されています。
おひかえあそばせ(1971年4月7日~1971年9月22日、全13話)川崎
気になる嫁さん(1971年10月6日~1972年9月20日、全40話)成城学園
パパと呼ばないで(1972年10月4日~1973年9月19日、全40話)佃島
雑居時代(1973年10月3日~1974年3月27日、全26話)成城学園
水もれ甲介(1974年10月13日~1975年3月30日、全25話)豊島・鬼子母神
おふくろさん(1975年4月6日~1975年9月28日、全21話)世田谷・赤堤※この作品のみ日本テレビ製作
気まぐれ天使(1976年10月6日~1977年10月19日、全43話)早稲田
気まぐれ本格派(1977年10月26日~1978年9月20日、全38話)神楽坂
「青春人情ホームコメディー」と書きましたが、まあこれは、私の造語といってもいいと思います。
1960~70年代のテレビ界は、週に1度半年~1年、定期放送する連続ドラマが多数制作されましたが、それらは、青春ドラマ、ホームドラマ、人情ドラマ、コメディードラマなどの多岐のジャンルにわたりました。
が、そのどのジャンルにも属さない、もしくは、それらをすべて含めた、ほろ苦いホームコメディという新しいモチーフで登場したのが、松木ひろし脚本の上記シリーズです。
実際に存在する場所を舞台として、16ミリフィルムで仕上げる作り方は、昨今流行する、ドラマのロケ地を“聖地巡礼”する作品としての先駆的な役割を果たしました。
私は、上記のすべてのドラマのロケ地に行きました(笑)
といっても、同シリーズは、石立鉄男が番宣に積極的ではなかったこともあり、リアルタイムではそれほど注目されませんでした。
その後、繰り返し再放送され、また竹中直人や柳沢慎吾などのモノマネ、ダウンタウン・松本人志のこだわりなどによって、放送から10年以上かけて少しずつ注目度と評価を高めてきた、株の世界で言えばインカムゲイン型の名作です。
そして、一連の作品の中で、石立鉄男自身が、もっとも印象に残る作品として挙げたのが『水もれ甲介』でした。
あらすじ

『水もれ甲介』は、東京・豊島区南池袋の鬼子母神近くにある「三ツ森工業所」という水道工事業者が舞台です。
長男の甲介(石立鉄男)は家業を手伝っていましたが、昔気質の職人の父親・保太郎(森繁久彌)になじられて、仕事が嫌になり家出。

チャンネルNecoより
ベース奏者(犬塚弘)に拾われて、ドラマーとしての腕を磨いていました。
しかし、輝夫(原田大二郎)は、造船技師になる夢を諦めて甲介の代わりに家業を継いだため、勝手に家出した甲介(石立鉄男)を怨んでいます。
甲介(石立鉄男)の家出以来、保太郎(森繁久彌)は酒を飲むようになり体を壊し、危篤状態に。
甲介(石立鉄男)が駆けつけると、保太郎(森繁久彌)は、甲介(石立鉄男)と輝夫(原田大二郎)は自分の息子ではなく、命の恩人である倉田兵長の息子を引き取ったことを打ち明け、「頼んだぜ、甲介」と言い残して死去。
保太郎(森繁久彌)から出生の秘密を聞かされた甲介(石立鉄男)は、ドラムを捨てて家に帰り、輝夫(原田大二郎)との確執を克服しながら、育ててくれた保太郎の妻の滝代(赤木春恵)や、保太郎と滝代の娘である朝美(村地弘美)とも、親子や兄妹としての関係を大切にしていくというヒューマンコメディです。
『名作ドラマの「ロケ地」を訪ねて』という『週刊現代』(2014年6月14日付)の特集では、原田大二郎が『水もれ甲介』について語っています。
⇒名作ドラマのロケ地、『岸辺のアルバム』も『水もれ甲介』も
曰く、文学座の2年先輩である石立鉄男に、当初ライバル意識を持っていたが、共演してみると「鉄ちゃんの人間のデカさに圧倒されて、気がついたら境内で一緒に話をすることを心待ちにする自分がいました」と、“降参”したことを告白。
ドラマの中の、甲介と輝夫の関係に重なるものがあります。
豊島区の水道屋さん出身のドラマーというと、芸能界ではハナ肇がそうですね。
『水もれ甲介』、ご存知ですか。
ぜひ同作品で、昭和のドラマの面白さを堪能していただければと思います。
和栗の上品な香りと風味

私の新しいおやつ、フジパン8月新商品の、『和栗とチョコのひとくちパイ』(フジパン)をご紹介します。
チョコ味のパイ生地に、和栗のペーストを練り込んだケーキ生地を一口大に包んで焼き上げたパイです。

包み方が芸術的というか、凝っています。
パイ生地に切れ目を入れて、その間からケーキ生地が見えるようになっています。
食べてみると、チョコパイの厚みがあります。

和栗のケーキ生地はそれよりも少なめです。
ただ、あまり栗を主張しすぎると、チョコパイのチョコの風味が感じられなくなってしまうでしょうから、なかなか難しいところだと思います。
チョコパイは生地そのものは存在感がありますが、チョコの風味はさほど強くありません。
パッケージには「和栗の上品な香りと風味」とありますが、甘みの少ないこうしたパイは、ほのかな風味を楽しむ、という意味で、たしかに上品なパンなのだろうと思います。
いかがですか。3時や夜のおやつに、一口サイズのパイ。

昭和の名作ライブラリー 第15集 水もれ甲介 HDリマスター DVD-BOX PART 2 -
この記事へのコメント
えーっと、俺がいくつの頃だろうか(^_^;)
午前中だけでもバラエティーにとんだ内容。
平成時代は、やることがないのか情報番組ばかり。
夜は、内容引き伸ばしの長時間編成たくさん。
昭和時代のテレビはネタの無駄遣いをしてたのかな。
今日のパン、大量生産品なのに、凝ってますね。
『和栗とチョコのひとくちパイ』・・・こちらはやっと、やや秋っぽい気候になってきました。また暑さもぶり返すでしょうが、とりあえずやっと人間らしい(笑)気分になっております。秋も深まれば、このような濃厚なパンも嬉しくなってきますね。
プロレスのドーム興業のお話、興味深く拝読いたしました。ますます「収益」と「実質」の乖離を感じてしまいます。会社側もレスラーたちも意識がいつもドーム興業へ向いてしまうことになるのも当然なのですね。新日が東京ドーム興業をやり始めた最初の方はまだ物珍しさもあったのですが、すぐに「ドーム向け」の大味な試合内容が多いのに飽きてきたという記憶があります。日本のプロレス史の中では、UWF系の大都市中心興業の成功も大きかったのでしょうね。
地方巡業というのは過酷でかつ、効率よく稼げるものではないかもしれませんが、地方在住のファンが1年とか2年とかに1回、プロレスラーを直に目の当たりにするチャンスだったのであって、その際の驚きや感動というものが今は消滅しかかっているというわけですね。同時に、巡業でじっくりと養われるプロレスラーとしての自力や、(この地方ではこのような展開にすれば満足してもらえるのか)と言うレスラーたちの実体験そのものも大きく減少していることになります。だからどうしても派手な大技に頼ってしまうという。このシステムでは、プロレスファン層自体も非常に限られた枠の中に留まっていきそうです。
メイウェザーVSコナー・マクレガーにあれだけとてつもない額が動いたことはそれだけ「観たい」人たちがいたことは確かですが、わたしかれすれば、「格闘技が分かってないな」としか思えません。「ボクシング・ルール」でやると決まった時点で、それはもう「ボクシングのチャンピオンVS素人」でしかないわけですから、「何の価値もない」となるわけですが、米国人を中心として、「ボクシングは格闘技の最高峰」という思い込みがあるからこそ、今回の以上の盛り上がりがあると思うんです。確かにプロ格闘技としてのボクシングの歴史やバリューは他の格闘技と比較にはなりませんが、「あまりにスポーツライクで、強さを争う格闘技としては欠陥品」であることも事実だと思うんですが、このようなわたしの考えは、米国人のほとんどは持っていないでしょう(笑)。 RUKO
いかに多くの人に人気があるかということでしょうね。
栗 秋ですね 4個入りが嬉しいですね
パクパク食べれます(^.^)
ここ数日すっかり涼しくなって秋を
感じます。 栗も出て来ますね。
眺めていましたが
村地弘美だったのですね。
可愛かったですよね。
私が27歳の時ですが24時間営業の仕事(現像所)
をしていた頃なのでテレビは観ていなかったですね~
年齢的に懐かしく感じる映画ですので
地上波で放映してくれると嬉しいのですが・・・。
JR東日本の新しい車両の吊り革は三角ですね。
三角と丸が混在している車両もあります。
西日本ではまだ〇が主流のようです。
『水もれ甲介』観てました(^^)
いもうとさん、ちゃーみい?とかいうあだ名で出ていませんでしたっけ?上野の岩倉高校の近所でみたとか友達がいってました。ロケ地の荒川線のよこ、様変わりしちゃいました